こんな本読んだ - 危ないミクシィ―大流行!SNSの闇
危ないミクシィ―大流行!SNSの闇 (Yosensha Paperbacks)
- 作者: 夏原武,後藤ひろし,上村覚,大月隆寛,片岡亮,江建
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2007/01
- メディア: 単行本
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大月隆寛、夏原武といった懐かしい執筆陣も混じりつつ一貫しているのは、個人情報がぎゅっと濃縮されたmixiは考えようによってはウェブよりも危ないところなんだよ、という主張。
mixiを使い込みながら気づかぬうちに自分でセキュリティホールを開けていることへのささやかな警告の書、と捉えることもできそうです。
気になったポイントやフレーズをいくつか抜き書きしておきます。
「つながりやすさ」を利用する人
mixiが必ずしも心地よい空間とは限らないと広く認知されるきっかけとなった、2006年10月の三洋電機社員の画像流出事件。
複数に散らばった情報が同時並行で集められて、1日足らずで「祭り」に至ったそうです。
mixiでは自分が何も発信しなくても、友人や知人の日記で自分が登場してしまえば、間接的に自分の情報が外部に知られることとなる。
118頁 噂のmixi事件ファイル
クローズドでつながりやすいSNSでは、逆に悪意あるユーザが人間関係を芋づる式に発掘することも容易だということ。仲間内の日記の感覚で書き散らかしていると、時として自分だけでなくマイミクにも累が及ぶことがあるという話。
SNSだから本音の日記をついつい書いてしまいがちだが、関係者以外は誰も見ないだろうとタカをくくっていると大変な目にあう。mixiユーザー層が肥大するなか、このような2ch上への”密告”行為は多発している。
127頁 噂のmixi事件ファイル
ヲチ専門でmixiに棲息しているユーザもいるという話。
つまりは個人情報収集し放題。コミュニティから書き込んだ人のページをたどれば確かに山ほどの個人情報にたどり着く。「ある意味、そこらの出会い系サイトなんかより出会いやすいんですよ。だって、あらかじめ相手のことがかなりわかっちゃいますからね。」
148頁 気がつけばマイミクは創価学会員だらけ mixiと宗教とマルチ商法と
参加しているコミュニティそのものがその人の思想・信条を雄弁に物語るという話。
ウェブで見かけた生々しいリアルに立ち止まるのは
ネットで顔見知りになった人のトップページを渡り歩いていて出身高校や地元自治体のコミュなんかあると「いいのかな?」と思うことがあるのはなぜかと考えていたのですが、この本を読めばうっすらとヒントが得られるように思いました。
mixiがこれだけ「普及」してしまった今とあっては、mixiでの使い方にもそれなりに知恵を求められそうな気がします。
たとえば
- リアル知人向きのIDとネット知人向きのIDを使い分ける。
- 特にリアル知人関係のページは、リアル向きのIDでのみ踏みに行く。
などは、少し手間を割いてでも考えていいかもしれません。
*1:洋泉社は宝島社の子会社。Wikipediaの解説より。