自らを省みるということ〜一つのブログを事例に

気になるブロガーが遭難事故を起こしていた

フルマラソンや山岳耐久レースを志向している女性山屋さんのブログからのエントリ。女性には珍しくハードな単独登山も志向する姿に「面白い人がいるな」と興味を持っていた。
今年6月の沢登りの醍醐味を箇条書きで面白おかしく書きつづった記事を読んで以来、共感するところがあってRSSリーダーでこのブログを購読していたのだが、最近の記事で7月に遭難事故を起こされていることがわかった。
単独行の最中、南アルプスの「鋸岳(のこぎりだけ)」の稜線上での転落事故。文中から察するに甲斐駒ヶ岳に抜けるつもりだったと思われる。ボロボロの岩場から2度滑落、ヘリの救助を要請したのは携帯電話から。滑落したときに携帯が破損していれば、危なかったかもしれない。

自らの責を負うという姿勢

僕がこのエントリを書き留めておきたいと思ったのは二つの理由がある。
一つは、遭難事故を起こしたことを前後の行動の記録を含めて詳しく記載していること。
確かに、一般道とは言いきれないそれなりのバリエーションルート*1を行くにあたって、装備は十分なものだったのか疑問に思うところもある。ただ、自分が冒した事故を自らの責と認めて、周りの視線を覚悟で書き綴ることのできる人は、そうはいない。
二つは、事故の喧噪が過ぎたあとのリハビリの記録を詳しく綴っていること。
下界に戻ってのリハビリであったりトレーニングの記録などがその日の感触を含めて記述されている。僕自身「山で怪我をしたときに心がけたいこと」というエントリを先日書いたばかりだけど、事故を起こしたときの恐怖から立ち直るにはやはりそれなりの時間が必要だと身をもって体験したことがある。身体の自由が利かないために山に行けないことを心底恨めしく思ったこともある。それだけに、7月以降リハビリの日々を綴った記事に、本人の登山への強い意志を感じてしまったのだ。
自らを戒めるきっかけとして、折に触れて立ち寄りたいブログであると思う。

*1:ライミングの技術が求められる、困難を含む登山のルート