はてブの海を泳ぐ奥義〜羽生善治氏のインタビューから

はてブがメジャーになると、ユーザの関心も分散していく

ホッテントリから自分の必要のない情報を遮断してほしいことを要望したエントリを読んでいると、はてブでもそろそろ人気エントリーだけでなく注目のエントリーもカテゴリ別に見せる時期にきているんじゃないかと思えてくる。
はて、自分はなぜはてブを楽しいと思っているんだろうか、ぼんやり考えているところに飛び込んできた今日の話題『「ネット社会を生きる奥義」 羽生善治(前編)』。
この「東洋経済」のサイトには梅田望夫氏近藤淳也氏のインタビューも収録されていて思わず小躍りして読み耽ってしまったのだが、羽生氏のインタビューの「インターネット」を「SBM」「はてブ」に置き換えてみると、自分が今考えていることと上手くシンクロすることに気づいた。
以下、脊髄反射で書き出してみよう。*1

はてブの海を泳ぐ奥義」 by hatayasan

  • SBMにより、ネットの旬な情報を追いかけるためのインフラが整った。その先はどうなるのでしょう。
    • そこが、これから先のテーマだと思います。今まではYahooや巡回先くらいしかウェブにアクセスしなかった人たちも、一定のところまでたどり着けるようになった。ある区間は最短コースで、遠回りも迂回もしないで旬な情報にたどり着ける「はてブ」がメジャーになりつつある。でも、みんながはてブを使い始めると、サクサク情報収集できていたのが自分にとってはどうでもいい情報が目に付くようになったり、油を売って時間を無駄に費やすことが増えてきます。これから先はそれがどんどん起こり始める。
    • でも、はてブに24時間張り付いているわけにも行きませんから、そこから抜け出すのに、注目のエントリーとか人気エントリーばかりをブクマするとか、そういうものとは違うアプローチの仕方をしないといけない。そこを差別化して一歩先を出るのは、一工夫要るようになってくる。
  • SBMが平等な環境を整えた世界の中で、どう差別化したらよいのでしょうか。
    • はてブ経由ででたくさん情報を集めるとか、ブクマをしこたま溜め込むことはみんなやっていることですから。そこから自分向けのはてブを作り出すにはどうすればよいか。また違うことを考えないといけない。
  • 気になる記事をクリップしているユーザをお気に入りに入れれば、自分が疎い話題でもカバーできるわけですか。
    • そうですね。大まかに分けると2通りあるのですが、スペシャリスト型で、もうこの分野のブクマしかしないという人は、その分野だと(はてブ界では)誰よりも詳しい。お気に入りに入れている人は、その人がこの分野ならこんなエントリをブクマするということが分かっていますから、その分野の情報収集のエージェントとして高い期待を抱く。
    • 私もそうですけど、最近多いのは、いろんな分野でくまなくブクマするオールラウンドブックマーカー。そうすると、「これもあるし、これもある」というふうに、どうブクマするかお気に入りに入れているユーザも読めません。でも、全部それぞれ進歩しているので、時間を振り分けてどこまでフォローするか、非常に難しくなっている。はてブは、収集する情報の幅が広いほうが幅広い分野のブックマーカーからの興味を集めやすいという利点はあるのですが、あまり幅を広げすぎると全部フォローするのが難しくなる。もちろん、時間をたくさん費やしてブクマするのも大事なことですが、それをどこに費やすかもすごく大事ですね。
  • b:id:hatayasanは、どうやってお気に入りを選ばれているのですか?
    • 勘です。勘ですから、当たらないことも多い。それでも、この分野の情報を追いかけるならこのユーザのブクマをお気に入りに入れればいい、というのがある。そういうのを見つけ出すことがすごく大事。はてブのコメント欄を注意深く観察してその分野のオーソリティを見つける。たくさんのユーザにお気に入りに登録されているということよりも、信憑性の問題。この人のだったら間違いない、というのが見極められるか否か。もう最終的にはそこに尽きてしまう。たくさんユーザがひしめいている中で、本当の真贋を見分ける。
  • 信頼できるユーザを見抜く心眼ということですか。