はてながつながりやすい3つのポイント - またがり、つたわり、ひろがって

「ネットで日記を始めようと思っているんです。どこがいちばん使いやすいか、ご存知ですか。」
「ブログサービスもいろいろあるみたいだしね。いろいろ使って肌に合うところに決めればいいんじゃないかな」
心の準備ができていない状態でいきなり訊かれてついぞんざいな答えを返してしまったのですが、もう一度じっくりその話題で盛り上がるとするならどう答えてみようか。少しだけ考えてみました。

はてな」というサービスがある。

無料でブログを開くことのできるサービスはたくさんあるようだけど、「はてな」にはほかのサービスにはない特徴がある。
よく「はてなはつながりやすい」といわれるのだけど、そう評されるのはいくつかのポイントがあるように思う。

またがり - 複数のサービスをまたがって、ユーザの雰囲気を知ることができる。

もしかしたらもういくつか読んでいるかもしれないけど、はてなの中で「これは面白い」と思ったユーザのブログがわかってきたら、少し目線を変えてそのユーザを見てみよう。
はてなダイアリーのURLは「d.hatena.ne.jp」から始まっている。手始めに頭文字の「d」を「b」に変えてみる。
「b.hatena.ne.jp」で始まるサイトは「ブックマーク」といって、その人が関心を寄せた記事へのリンクが時系列順に貼られている。ブログの記事のヒントになったものや、普段その人が興味のある記事、いうなればネタ帳のようなものだ。
記事のリンクの下に時折記されている文字は「コメント」といって、その記事を読んでその人が思ったこと、その人が「いいな」と思ったことなどが綴られている。コメントや記事を眺めていると、ブログだけでは見えてこなかったその人が少しずつ浮かび上がってくるかもしれない。
はてなのサービスはこのほかにも、サイトの更新情報を手早く確かめることのできる「アンテナ」「RSS」や、お題を決めて思ったことを書くことのできる「ハイク」などまだまだたくさんあるのだけど、ひとまずダイアリーとブックマークを抑えておけば、はてなの中で活発に活動しているユーザの嗜好はつかめると思う。

つたえ - 思いの幅に応じて、伝えるツールを使い分けることができる。

これまで、ブログの記事を読んで「いいな」と思ったときは、どうしていただろうか?
ブログを自分で開いていない限り、トラックバックを使うことはできない。また、単に「よかったです」と伝えるために直接メールをブログを書いている人に送るのはさすがに抵抗を感じるだろうし、コメント欄に書き込むのも、そのときの流れのようなものについ気遣って遠慮してしまうことが多かったと思う。
だが、はてななら、そのときの思いに応じて、ツールを使い分けて思ったことを伝えることができる。
「これはいいな。あとでも読み返したい」と思った記事は、「はてなブックマーク」を使っていつでも参照できるようにしておこう。ブログのコメント欄のようにお互いにやり取りするような雰囲気はあまりないので、その分思ったことに近い感想をブックマークのコメント欄に記せるというのが大きな違いだ。ブックマークしたからといって直接そのブログに書き込むわけではないけれど、はてなダイアリーにはどのくらいブックマークが集まっているか記事に直接表示するしくみができているし、熱心なはてなユーザなら、ブックマークをこまめにチェックしていると見てほぼ間違いない。
次に、ブックマークするほど心を揺さぶられたわけではないけれど、思わずにこっと微笑みたくなるような文章や、深くうなづかせるようなコメントを目にしたとき。「あなたの文章を読みましたよ」「あなたの文章のここに興味を惹かれましたよ」と目配せするように伝えたいときがある。そういうときは「はてなスター」というサービスを使ってみよう。マウスを1回クリックするだけで記事やコメントにスターをつけて、読みに来たことを知らせることができる。
ブログを書いている人と直接やり取りしようとまでは心が動かないけれど、記事に興味や関心を持ったことをそっと伝えたいとき。ブックマークやスターを使えば、これまで伝えることのできなかった思いを伝えることができるし、気になるユーザの関心のあることをちらっと覗いたような気持ちになれるだろう。

ひろがって - はてなのサービスには飽き足らない、楽しむことに貪欲なユーザがいる。

はてなを熱心に使っているユーザの関心は、はてなの中のサービスにとどまることはない。
たとえばネットの界隈で話題になっているウェブサービス。2007年ならば、ミニブログ*1クリッピング系のサービス*2が流行したようだけど、はてなのこれまでのサービスと併せて新しいサービスも使っているユーザは、決して少なくないと思う。たとえばはてなのIDと同じ文字をそのサービスのIDにあたるところに放り込んでみれば、どこかで見かけたアイコンが現れて親近感を抱くこともあるだろう。
新しいサービスを使っていて驚くのは、これまでのはてなのサービスからは見えなかったユーザの思わぬ一面が見えてくること。難しい記事を書いていて語りかけるなんてとんでもないと思っていたユーザでも、別の新しいサービスではフレンドリーであったり、関心を寄せていたユーザの思わぬ嗜好にその人の見る目を変えてみたり、そういうことがごく普通にあったりする。
はてなユーザのつながりは必ずしもはてなの中だけで終わるわけではない、と言ってもよいかもしれない。

敷居を越えよう。

気になるユーザの関心に触れることができる、気になるユーザの嗜好を知ることができる。
いわゆる「つながりやすさ」において、はてなは数あるコミュニティ系のサービスの中でも特異な地位を築いていると思う。
でも、自分をもっと知ってもらうには、あとほんの少しだけの勇気がやっぱり必要になる。
気になる人を見つけたら、心を静めて思いきって話しかけてみよう。
はてなを使っているならば、きっとその敷居を越えられる。

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*1:Twitterのこと。

*2:Tumblrのこと。