御嶽 濁河温泉〜飛騨頂上(山スキー)

週末、木曽御嶽の西面に定着して気になるルートを見てきました。
土曜日は、濁河温泉から飛騨頂上を目指しました。
メンバーはhatayasan、Asa、Kiriの3名です。

GPSログ(クリックで拡大)

  • 赤が登り、青が下り方向。
  • 頂上付近が青でつながっているのはトラックログが同一のため。ルートは斜面を直上→南下→北北西へトラバースした。

記録と所感

2007年4月14日(土)


登山口。すぐにシールで歩けるようになった。

のぞき岩避難小屋。

飛騨頂上。写真を撮ってすぐに下山した

4月でも「えびのしっぽ」ができていた

森林限界付近はちょっとしたパウダーだった

天狗滝の吊橋。

下山したあと、山頂は快晴だった。

  • 3:30 濁河温泉登山口(1795m)
    • 関西から御嶽まで、それほど離れているわけではないが高速道路が延びていない分心理的な距離は乗鞍岳より遠い。
    • 東海北陸道郡上八幡で降りてせせらぎ街道〜国道257号線〜鈴蘭スカイラインで濁河入り。飛騨美濃道路は夜間は無料だった。
  • 6:30 起床
    • 3時間の仮眠後出発の準備。天気は曇り。午後から晴れるという予報に期待である。
  • 7:20 濁河温泉登山口 出発(1795m)
    • 今回は濁河温泉から飛騨頂上に至る尾根を詰めることにする。草木谷の右岸に移る橋を渡ったあと分岐をやや通り過ぎたあたりから尾根に取り付く。やや詰めると地図上は何でもない場所なのに切れ落ちた地形にはまる。(難儀した場所は、「ジョーズ岩」付近であることが帰りにわかった)スキーを担いで枝を掴んで垂直に近い崖を乗り越える。
    • 登り終えて「これは登攀やで」とAsaさん。僕的にはスキーを担いで沢登りしているような感覚だった。いきなり渋い。
  • 9:55 湯の花峠(2100m)
    • このあたりからようやく快適に登れるようになる。雪質も心なしか優しくなってきた。
  • 10:30 のぞき岩(2250m)
    • 湯の花峠から少し登るとトタンの避難小屋があった。しばし行動食を頬張る。風は強く展望はない。
    • 森林限界を2550mほどで越えるとしばらくの間晴れ間が覗く。登山口の濁河温泉も見下ろせる。しかし晴れ間が覗いたのはつかの間。再び厚いガスに巻かれる。
    • 2600mを過ぎると斜面が硬くなりツボ足+アイゼンに切り替える。少雪の年で4月とはいえやはり独立峰である。標高2700mを過ぎるとアイゼンの刃が容易に刺さらないほどのアイスバーンとなる。
  • 13:13 飛騨頂上(2818m)
    • 御嶽山の頂上部に出る。風の強さはストックを支えにしなければ身体を揺さぶられる程度。南方向へ小さいアップダウンを2回ほどこなすと祠が見えてきた。今日の目標地点は頂上部の前衛にあたる「飛騨頂上(2818m)」である。
    • 強風で舞い上がったザックの脇の紐が頬を激しく叩く。視界はほとんどない。祠で記念撮影して休む気もせず下山を開始する。
    • 登りで直上してきたカリカリの斜面をそのまま下るのはちょっと怖い。北西方向をトラバース気味に下れば少しは傾斜も緩いだろう。
    • ホワイトアウトと言い切るほど厳しくはないが位置をまめに確認していないと雪酔いしそうである。森林限界の下で首にぶら下げておいたGPSをこまめに確認する。「もう少し北北西寄りに下れば急な斜面を避けることができます。合流までそのまま方向であと120mほどくらい。雪も緩んできたのでこのへんから真西の尾根を目指して滑りましょう。」GPSの力を借りねばこんな荒れた天候で3000m級の独立峰に登って帰ってくるのは難しい。2660m付近でスキーを装着し滑り始める。
    • 森林限界のしばらく下までは雪の状態はモナカ状。午後になって気温が上がったのか、登りで踏みしめた新雪の感覚はない。湯ノ花峠から下は次第に林が密に。登山道の赤布とオリエンテーリングの道標が頻繁に現れ始めルート取りは楽になるがスキーを走らせるような開けた雰囲気ではない。登りで苦労させられた「ジョーズ岩」付近は赤布を忠実にたどればあっさり巻けた。これより下はひたすら忍耐の滑り。最後は担いだ方が速かった。
  • 16:20 濁河温泉登山口(1795m)
    • 最後はツボ足で淡々と歩いて登山口へ。振り返ると夕焼けに染まりゆく御嶽が。どうやら取り付いていたときが最も天候が渋かったようだ。
    • 濁河温泉の日帰り入浴施設で立ち寄ったのは「湯元館」。まだ新しい建物ながらも500円で入れた。
    • 濁河温泉から少し下ったところにある「少年自然の家」の正面脇の駐車スペースにテントを張り明日の成功を祈って乾杯。夜中はずいぶん冷えた。

メモなど

  • 今回の登山口は濁河温泉のいちばん奥。道路の勾配が車にしてはかなり急のように感じられた。冬など路面が凍っているときは四駆でないと奥まで進むのは厳しいだろう。