ソーシャル系ウェブサービスは検索結果の「格差」を生むのか - 検索結果の上位を占め始めたエントリーページ
検索結果の上位を占め始めたエントリーページ
YahooやGoogleを使っていると、検索結果にはてブなどのソーシャル系ウェブサービスの関連ページが上位に表示されることが増えつつあることに気づきました。
たとえば、はてブで3,000users以上のブクマを集めている東大で学んだ卒論の書き方論文の書き方の場合を見てみましょう。(検索結果は、2月9日現在。)
- Yahoo! 検索 – 東大 論文 書き方
- Yahooで検索した結果。 はてブのエントリーページがトップで表示されています。
- 東大 論文 書き方 – Google検索
- Googleで検索した結果。2位にはてブのエントリーページが表示されています。
- 検索結果の5位以降に目を通してみると、SBMのエントリーページが検索結果にランクインしていることがわかります。
- POOKMARK Airlines - 東大で学んだ卒論の書き方論文の書き方 (9位)
- Blue Dot: 東大で学んだ卒論の書き方論文の書き方 (14位。これはユーザのブックマークのようです)
- Saaf ブックマーク | 東大で学んだ卒論の書き方論文の書き方 (19位)
- ニフティクリップ−東大で学んだ卒論の書き方論文の書き方 (27位)
エントリーページが上位に検索されるのは特殊な超人気エントリーだけかというとそうでもないようで、Yahoo*1とGoogle*2で「はてな 理屈っぽい」と検索すると、僕の書いた記事のエントリーページがトップに表示されます。*3
エントリーページはリンクの塊
はてブのエントリーページにきちんと目を通してみると、つながる仕掛けがこれでもかというくらいに張り巡らされていることに気づきます。
特徴的なものだけでも、これだけあります。
- タグクラウド
- ユーザのタグの集合。該当するタグの注目のエントリーにリンク。
- キーワード
- 該当するキーワードの注目のエントリーにリンク。
- ユーザのつけたタグ
- ユーザのブックマークの該当するタグの集合するページにリンク。
- ユーザのアイコン
- ユーザのブックマークのトップにリンク。
- ユーザの名称
- ユーザのブックマークの該当する個別のブックマークにリンク。
- ユーザのコメント
- ユーザがURLを表記したときはURLにリンク。
- ユーザのコメントで反復されるキーワードは、ページの性格を位置づける。
- このエントリーを含むほかのエントリー
- この記事に言及があり、かつブックマークされた記事とそのエントリーページにリンク。
- はてな内に閉じていないのがポイント。
- このエントリーを含む日記
- この記事に言及したはてなダイアリーの当該日付にリンク。
このように、はてブのエントリーページには、どちらかといえば内燃的*4ですが、方々に飛ぶリンクの仕掛けが用意されています。
このことは、とりもなおさず知らずのうちに多様なユーザが共同でSEO対策を施しているようなもの。
リンクやキーワードの多寡だけで見れば、はてブのエントリーページが元記事より高い評価を受けたとしても不思議ではありません。
ソーシャル系ウェブサービスは検索結果の「格差」を生むのか
はてブのエントリーページがGoogleの検索結果にも表示され始めたことを踏まえると、下記のようなことがひとまず言えそうな気がしています。
- 良質なコンテンツは「評判」も含めて高く注目される。
- 「評判」とは、各種ソーシャル系ウェブサービスのユーザの評価。評価の集合はエントリーページに集約される。
- 「価値がある」とされているページがコミュニティによってどのような評価を受けているか、知ることは容易に。
- 一方で、各々の価値観によって変わってくる「価値がある」という基準を、リンクやキーワードの多寡に求めるだけでよいのか、という疑問も。
- むしろこれは検索結果のパーソナライズ化が進めば自然に解決するか。
- ソーシャルに評価された記事が「評判」を含めて検索結果を寡占することで、ヘッドとロングテールの「格差」はより顕著に開いていく。
いずれにせよ、検索結果を通して自分のサイトに人を集めようとするならば、サイトの中でのSEO対策もさることながら、ブログやSBMなどのソーシャル系サービスでそれなりの「評価」を受けることは意識しておく必要があるのではないか、と思いました。
*1:Yahoo! 検索 - はてな 理屈っぽい。いちおう魚拓をとりました。
*2:はてな 理屈っぽい - Google検索。いちおう魚拓をとりました。
*3:元記事は、「忘却防止。 - はてなが敬遠される3つの特徴〜つながりやすさの行き着く先」
*4:はてな内のコミュニティで完結するリンクが多い、ということ。
*5:ソーシャル系ウェブサービスで注目を集めるテクニックを「リンクベイティング」と呼ぶそうです。「驚くほどリンクが集まる「リンクベイティング」に世界中が釣られている | 住 太陽のブログ 」に詳しい解説があります。
*6:はてブの衆愚化については、「fladdict.net blog: はてぶがドンドン馬鹿になっていく」にわかりやすい解説があります。
*7:2006年、gooがウェブの検索結果からブログを除外するオプションを提供した話。「第6回:NTTレゾナント「ブログフィルター」〜検索結果からブログを取り除く期待の新機能〜:RBB NAVi (ブロードバンドコンテンツ 検索サービス)」で、開発の経緯を読むことができます。