「これはひどい」をRSSリーダーで購読する前に〜分散する価値観を前に

先日、「RSSリーダーで読みたい10のタグ」のエントリを書き殴ったあと、言い足りなかったことがもやもや湧きだしてきたので、書き留めておきたい。

「これはすごい」は「これはひどい」でもあるかもしれない

1100人以上のユーザにブックマークされた、今日の覚え書き Tickler's bunkum days 「激しく使える」サイトの自分用まとめを例にしてみると「これはすごい」「これはひどい」が同一のエントリに混ざってタギングされていることがわかる。(このエントリのブクマコメントのページはこちら

  • 純粋に感銘を受けた人は「これはすごい」、
  • なにがしか違和感を感じた人は「これはひどい」とタギングしたものと思う。

もっとわかりやすい例で行ってみよう。
事例はないけど、たとえば「死刑廃止」をテーマに、深い洞察と豊富な事例を引いて論陣を張ったエントリがあるとしよう。

  • ある人は「これはすごい」と賞賛を送るかもしれない。
  • ある人は「これはひどい」と貶すかもしれない。
  • ある人は「ネタ」と一蹴するかもしれない。

多様化しつつ、分散していく価値観を前に

google」「web2.0」といった、ジャンルに基づいてタグを分類することはたやすくても、「すごい」「ひどい」「ネタ」といった価値観を表明するタグづけをするに至るまでの思考の筋道は、はてブユーザであっても一様ではない。
ユーザ数が増えるほど価値観も多様化していくわけで、それがはてブをさらにおもしろいものにするんだと自分は思うのだけど、悲しいかな「これはひどい」「これはすごい」といった個人の価値観を表明するタグはこれからますます分散していく。
それだけに、自分の求める情報にありつくまで、ユーザがSBMに逆にリテラシーを試される場面が出てきてもおかしくない。
となると、はてブのタグを通して配信されたRSSを額面通りに受け止める前に、自分で情報を選別する作業がどうしても必要になってくる。

コメント欄で確かめて、信頼するユーザを手がかりにしたい

じゃあ混沌のなかにあってエントリの価値を下すにはどうすればいいか、と訊かれると、自分の場合は「ブクマのコメントページに目を通すことをまず習慣にすればよいのではないか」、と答えるだろうか。
タグクラウドを見れば、そのエントリがはてブユーザの間でどのような評価がなされているかは何となく知ることができるし、はてブを使い込んでいればいつかは意識するであろう馴染みのユーザのコメントが、判断を下すにあたって強力な手がかりになってくれるように思う。