2012BRM428中部400km


お気に入りのルートで、お気に入りの瞬間を。
4月28日(土)は、自転車のサイクリングイベント「ブルベ」に参加してきました。

記録

出発まで

ここのところ自転車や山からはご無沙汰で、2012年のブルベは1月8日のBRM108京都200kmに参加したのみ。
年初めにエントリーしたものの、参加を迷っていた4月28日のBRM428中部400km。
300kmを飛ばして400kmを走るのはともすれば無計画かもしれないが、ここはひとまずチャレンジして何かを掴んでおきたいところである。

スタート〜PC1(美濃:27.9km)

朝3時50分に起床、名神高速を飛ばして6時過ぎには一宮市の光明池公園に。中部のブルベにはまだ数回しかエントリーしていないのにスタッフが自分の名前を覚えておられて驚く。
7時30分からコースの説明、検車のあと出発。4月28日は名古屋などでもブルベが開催されていて参加者が分散しているからだろうか、中部400の出走は50名もいなかった模様。
PC1まで先頭集団を率いる三船雅彦元プロについていく。平地とはいえ35km/hオーバーでの巡航。このペースで400kmを走り抜くというのか。PC1でレシートを受け取ってジュースを飲もうとすると既に出発された後だった。おそらく、3分も休憩されていなかったのではないだろうか。

PC1(美濃:27.9km)〜PC2(白鳥:93.7km)

国道256号線を北上。「洞戸(ほらど)」と名前のついた地名が多い。国道の通称は「あじさい街道」、秘かに気になっていた道である。全長4km超の「タラガトンネル」をくぐり抜けて長良川を遡上。右岸の県道沿いなので交通量は少ない。PC1からPC2までは約65kmと長め。汗ばむほどの陽気も手伝って長良川に出てすぐの売店で見かけた自動販売機でスポーツドリンクを仕入れる。おかげで体力回復。油坂峠道路の高架橋が見えればPC2。11:30。正午までまだ時間はある。ここで長袖を脱ぐ*1

PC2(白鳥:93.7km)〜PC3(大野:146.4km)

出発して間もなく油坂峠への登りへ。峠までは標高差300m強、今回のブルベのルートで最も高い地点に駆け上る。緩やかなカーブを描く高規格道路と交差を繰り返してヘアピンで高度を稼ぐ。いつの間にか白鳥の街並みが眼下にある。
油坂峠から福井側へは緩やかな下り。九頭竜湖からは時折アップダウンを交えて湖畔の区間はほぼ平坦。
九頭竜湖沿いで連続するトンネルでは、2010年に走ったとき段差でリム打ちを起こして前後輪ともパンクした苦い思い出があり、ひとつのポイントだと意識していた。2012年の今回は照明が明るくなっていたほか、アスファルトが改修されている箇所もあり思いのほか安心して走ることができた。
湖畔では桜がちょうど見頃。ロックフィルダム九頭竜ダムを一気に下ってJR越美北線九頭竜湖駅を通過、無人地帯を流してカドハラスキー場、大野の街へ。このルートは昨年白山を一周したときに逆方向で走っていて*2思わぬ登りに苦労させられた記憶がある。今回は下り基調なので一気に駆け抜ける。
空腹を感じたときは背中のポケットに忍ばせてあるウイダーinゼリーとソイジョイに手を伸ばしてボトルに入れてあるお茶で口をゆすぐ。走行中に補給すると体力が回復する状態をリアルタイムに把握できるような気がする。PC3に到着、洗面所で塩まみれになった腕と顔を洗うと心なしかリフレッシュしたようだ。時刻は13:50。これなら明るいうちに越前海岸を走れるだろうか。

PC3(大野:146.4km)〜PC4(あわら:195.4km)〜シークレットポイント(東尋坊タワー:204.3km)

九頭竜川の左岸沿いに進む。九頭竜川に合流する県道の分岐は注意しなければトンネルに吸い込まれてしまう要注意ポイント。九頭竜川の左岸は県道で交通量は少ない。時折京福電鉄の単行電車を見かける。彼方に残雪の山、雪解け水で水量を増した川面、まだまばゆい新緑の組み合わせ。春である。コースは平坦基調。右岸に移ってからが思いのほか長く感じる。PC4でレシートチェックのあと10km走ったシークレットポイントの東尋坊タワーで写真を撮る。観光客はまばら、たむろしている猫がかわいい。距離は205km、時間は16:30。ゴールまであと200km弱、ちょうど折り返しと見てよいだろう。

シークレットポイント(東尋坊タワー:204.3km)〜PC5(越前海岸:248.1km)

九頭竜川の河口を渡って平坦な松林沿いを流して越前海岸沿いに。日本海沿いを敦賀まで70kmを一気に南下。細かなアップダウンが時折あるくらいで向かい風もなくきわめて走りやすい。漁村に入ってしばらく走ったところにPC5のローソンが。細かいミスコースを繰り返していたせいか、キューシートより1km程度余分に走っている模様。ここで夜間走行に備えてヘッドライトと尾灯を点灯。一旦脱いでいた長袖に再び袖を通す。夕食にはお寿司を選んで米の食感を噛み締めるように頬張る。

PC5(越前海岸:248.1km)〜PC6(木之本:315.7km)

日没の瞬間、思わず自転車を停めて写真を撮る。お気に入りのルートでこのような瞬間に立ち会えるのは贅沢である。
ここからは夜間走行。GPSのバッテリーは先ほど休んだPC5で新品に交換、ライトの電池も充電してきたので心配はない。
かつて有料道路だった「しおかぜライン」を走るときは既に真っ暗。明るいうちに越前海岸を堪能したかったが今回は夕日を見られただけでよしとしよう。
敦賀を過ぎて8号線の旧道沿いに。1箇所JR小浜線の踏切があり思わぬ段差に驚く。敦賀市の郊外の疋田から滋賀県境までは標高差200mの峠越え。見通しがよいだけに頻繁に出てくる登坂車線の標識を見るたびにがっかりする。滋賀県に入ってからはひたすら下り。気温が14度くらいまで下がるとさすがに寒くなってくる。長袖を着ておいてよかった。

PC6(木之本:315.7km)〜PC7(米原:352.0km)

琵琶湖岸に出て長浜を過ぎて東へ直進。ここで強めの向かい風。平地なのに50x24T(アウターのかなり軽め)で踏んでもキツイ。
このあたりから頭がほわっとしてくる。町中の細い分岐で小さなミスを繰り返す。判断能力が衰えているのだろうか。ただ頭を左右に振らないとどうしようもないほどではない。
PC5からPC6までは距離は40kmもないが、ここで精神的に苦しめられていたかもしれない。

PC7(米原:352.0km)〜ゴール(400.2km)

2年前に400km*3を走ったときは、最後のPCで仮眠するかどうかの判断を迫られるほど眠気に圧されていたが、今回はそれほどでもない。偶然ながら木曜日に10時間寝ておいたのがものを言っているのだろうか*4。このまま行けば2時(18時間)にはゴールできるだろうか。
交通量の多い国道21号線を避けて旧道沿いにルートを引いてあるのはありがたい。関ヶ原への緩い登りは想定の範囲内。 一宮へは途中で国道から県道にスイッチ、最後の10kmはこれまでの中部ブルベでも走ったことのある見覚えのあるコース。最後までトラブルが起きないことを祈りつつ、カウントダウンするように1:14に到着。17時間14分。目標にしていた20時間を切ることができて満足。
天気に恵まれ素晴らしいルートを走れたためだろう、ゴールでは「もう終わりなのか(もう少し走っていたい)」「ようやく帰れる(もうこれ以上走りたくない)」相反する感情がない混ぜになった心境になる。
カップラーメンをありがたくいただき、徹夜で出迎えてくれたスタッフに一礼。高速道路のSA・PAで仮眠を繰り返しながら朝には自宅に戻った。

終わってみれば

素晴らしい天気のなか、気になっていたコースを走れたのは贅沢な時間でした。
長距離でも、余裕をもって楽しめるようになりたいと思います。

データ

走行距離

401.4km

走行時間

17時間14分*5

平均速度

22.0km/h*6

最高速度

51.6km/h

累積標高

2,450m

GPSログ

    • 14さんの引いたルートを掲載しています。
    • 本番前にGPSのデータファイルを取り込ませていただきました。

*1:岐阜では31度を記録するほどの陽気だったそう。九頭竜湖の湖畔でも25度あった。さすがに夜は14度くらいまで冷えてはいた

*2:自転車で白山一周 - 忘却防止。

*3:2010BRM424和歌山400km。

*4:木曜日10時間[21:00-7:00]、金曜日5時間[22:50-3:50]。

*5:休憩時間を除くと15時間35分

*6:休憩時間を除くと25.4km/h