五箇山から登る山 - 富山 大門山

てくてく林道、歩きました。

真冬なのに、陽気に汗ばむ一日。
2月8日(日)は、富山県五箇山集落から「大門山」を目指しました。

感想など


国道脇にクルマを停めて、まずは林道沿いに「ブナオ峠」を目指す。

夜明け前にゲートを出発。ラッセルはほとんどなかった。

峠近くになってようやく稜線を望む。目指す「大門山」は右の白いピーク。

ブナオ峠から尾根に乗り換える。ようやく「来てよかった」と思えた。

鞍部。風強くガスはなかなか晴れない。

今まで出会ったことも意識したこともない山。これが白山北方の山々だ。

鞍部から北西へ向けて、緩やかな登りをこなす。

森が静かに出迎えてくれたようだった。

あのピークを越えれば、ひとまず山頂だ。

無事に山頂に導かれた。

山頂でガスが晴れる。しばし解放感に浸って発進しよう。

登り返す尾根を見定めて、沢沿いにスキーを走らせる。

願わくば林道まで一気に滑ってしまいたかった。

距離感のない白の中を、恐る恐る飛び跳ねた。

頃合いを見て尾根に乗り換えて、登りのルートに無事合流する。

午後になって急に晴れてきた。

緩い尾根をのんびり流す。雪は固め。

ブナオ峠。小屋は完全に埋もれているようだった。

あとは、自分のつけたトレースにしたがって戻るだけだ。

斜面を横切る鹿を見つけた。ずいぶん立派な体格をしている。

自分のことに勘付かれたようだ。向こうも驚いているのだろうか。

林道の下のほうはところどころ雪が途切れていた。

ゲートが見えた。正面の俊英なピークは「人形山」だろうか。

14時にゲート着。ラッセルがなかったためずいぶん助かった。

帰りは北陸の国道8号沿いに帰る。白山が美しかった。

2009年2月7日(土)

昼過ぎに自宅を出て国道8号沿いに福井、金沢を通って北陸入り、東海北陸道の福光インターから有料道路に乗ってすぐそばにある城端パーキングエリアで車中泊。
寝袋に包まっているとずいぶん賑やかに雨が降っているようだ。日曜日は大丈夫だろうか。

2009年2月8日(日)

3:15に一旦目を覚ますも雨がクルマを激しく叩きつける。気乗りせず二度寝してクルマのシートを起こしたのは4時半を過ぎたあたり。
自販機で買ったコーヒーを片手にもそもそとエンジンをかけて9kmのトンネル区間の先にある五箇山ICで下り、国道156号線沿いにある林道分岐に駐車。
雨とも雪ともつかない水の粒が依然として降っているが意を決して準備、ゲート前を5:40に出発する。
今回は国道脇から「ブナオ峠」に延びる林道を10km歩いて「大門山」に延びる稜線を歩くルート。標高差は1200m少々と先週の猿ヶ馬場山に比べるとやや緩いが水平移動の距離が少しだけ長い。
ラッセルを覚悟して夜明け前の出発としたが昨夜の雨で雪がすっかり固まってしまっている。水の出る沢筋では路面が露出していてスキーの着脱を強いられる箇所もあるがおおむね支障なく進む。ヘアピンカーブは容易なところをショートカット、ブナオ峠には出発から3時間強で到着する。
ここから大門山に向けては緩やかな尾根へ。標高1000mを越えるとさすがにくるぶし程度のラッセル。尾根上の氷状の雪面はスキーアイゼンをスキーに装着してクリア、標高1200m付近で斜度が緩やかになったところで一息つく。気がつけば白く樹氷をまとったブナ林が静かに出迎えてくれる。ここまできてようやく「来てよかった」と思えるひとときである。
鞍部への最後の登りは斜度がやや急になる。氷と雪が入り混じった不安定な雪面ではスキーを履いたままだとかえって進みにくい。スキーを両手に持って四足で「はいはい」状に這うように進めば早い。
鞍部はなかなか強い風。見渡せば見たことも思い描いたこともない山々が出迎えてくれる。白山北方稜線。登山道の開かれていない山が依然として多い、原始の香りのいまだ色濃く残る山域である。大門山の山頂へは、鞍部から北西の尾根を詰めれば近い。
緩い斜面を登って山頂に導かれたのは11:08。出発から5時間半弱、これなら余裕をもって帰れる。
ガスが晴れたところで隙を逃すまいと記念撮影に勤しんで、たどってきたルートを見やる。
このまま登ってきた尾根を下るのが一番手堅いがガリガリの痩せた急な尾根を下るのは気持ちのいいものではない。今なら展望もよく雪もこれまで登ってきたところ比較的安定していたので沢状の地形に入っても問題はないだろうか。だが雪庇の張り出した山頂から飛び込む勇気は残念ながら今の自分にはない。鞍部付近まで下ってポイントを確かめて、登り返す尾根を見定めて震えながら斜面に足を踏み入れる。
ガリガリだった稜線とは比べものにならないふわふわした雪だ。決して深くはないがさらさらの雪がところどころで膝に迫る。パウダーである。
だが調子に乗ると距離感を見失う。上も下も白。慎重にスキーを運ばないと宙に舞ってしまいそうな錯覚に陥る。かえって臆病なくらいが自分にはちょうどいい。
登り返すポイントと決めていた1290m付近までは一瞬で下ってしまう。願わくばこのまま林道まで滑り降りてしまいたい誘惑に駆られるが下のほうは滝や岩場のマークが出ていて尾根の地形も複雑なので仕方ない。急な斜面を水平に移動しているとスキーが深く沈み意外に手こずる。迷わずシールを貼りなおして着実に尾根に復帰。ここからは自分のつけたトレースにしたがって帰ればいい。
ブナオ峠まではブナ林の中を縫うようにターンを小刻みに切って流す。下るほどに、すぐに終わってしまうのを名残惜しいと感じるひとときだ。
ブナオ峠からは林道を下るのみ。ただし途中雪が崩れている箇所、水が出ている箇所は要注意。途中立派な体格をした鹿とにらめっこして出発地点の林道ゲートに到着したのは14:02。誰にも会うことのない静かな山を楽しませていただいた。
この日は北陸周りで帰ることにする。シャンプー石鹸は各自持参だが200円で入れる川北温泉で入浴、2日連続の福井のカレーバイキングで夕食として、自宅には23時に到着。

GPSログ

  • 五箇山」集落の国道156号線脇から林道経由で「ブナオ峠」から「大門山」を往復しました。
  • 赤は登り、青は下り。

コースタイム

  • 4:30 東海北陸道 城端PAにて起床
  • 5:40 五箇山IC付近 ブナオ峠林道入口ゲートを出発(334m)
  • 8:55 ブナオ峠(980m)
  • 10:45 稜線鞍部(1480m)
  • 11:08-11:20 大門山(1571m)
  • 11:22 稜線から沢状地形にドロップ(1510m)
  • 11:53-12:03 尾根に復帰(1280m)
  • 12:20 ブナオ峠(980m)
  • 14:02 ブナオ峠林道入口ゲート(334m)

メンバー

単独