「西日本乗り放題きっぷ」で元旦のグリーン車を楽しむ
元旦に乗り放題、してきました。
JR西日本管内の新幹線・特急列車が乗り放題になる「年末・年始西日本乗り放題きっぷ」。
グリーン車用は、元旦のみ有効の1日券で18,000円。
ずっと気になり続けていた列車に、時間の許す限り乗ってみることにしました。
おおまかな行程など
おおまかな行程は新大阪から博多を新幹線で往復、新大阪から富山を在来線で往復、新大阪から広島を新幹線で往復、というもの。
もうすぐ乗れなくなる車両、乗りたくて仕方なかった車両を意識して選んでみました。
列車別の記録など
1. 新大阪 - 小倉 ひかり441号(500系)
朝イチの新幹線でまずは博多へ。元旦限定の500系。
出発前、胸が高鳴ります。
いざ、グリーン車へ。
500系のグリーン車の座席。枕があるのが特徴。
この枕、柔らかく包み込まれる感触が素晴らしいです。
落ち着いた照明が心地よい感じ。
500系は車体を丸く絞ったため、網棚のスペースはやはり狭い模様。
"We are now travelling at 300km/h." 岡山から福山の間で、1度だけ300km/hの表示が出ました。300km/hの営業運転を世界で最初に達成した500系ならではのサービスです。
N700系に圧されて「のぞみ」からの引退が迫る500系。グリーン車を組み込んだ16両編成の勇姿が見られるのも、あとわずかです。
2. 小倉 - 博多 こだま761号 700系
小倉から博多までは700系に試し乗り。
先頭と最後尾に青い文字で「JR700」のロゴのある700系は、JR西日本の所有する700系。
JR西日本の700系のグリーン車の座席。500系のグリーン席から枕を抜いたような感じでしょうか。
3両あるグリーン車でも、乗客は自分ひとりでした。
洒落た内装が素晴らしいです。
驚いたことに、博多に近づくにつれ吹雪模様に。
博多。元旦のせいか、閑散としていました。
3, 4. 博多 - 博多南 763A 100系
博多から1駅だけ、新幹線であって新幹線ではない線に乗ることにします。「博多南線」といいます。
100系。昔2階建ての車両をつないでいたことがありましたね。
グリーン車の座席が普通車に移植されています。座席の前後の間隔が狭いわりにはどっしりしていて落ち着きません。
工事中の九州新幹線の高架が見えてくれば、もう博多南。博多から10分。
博多南駅。駅舎はJR西日本、駅員はJR九州の社員です。
駅には自動改札機が。
駅のそばにある新幹線の車両基地「博多総合車両所」。折り返しの便ですぐに博多に戻ります。
5. 博多 - 小倉 のぞみ176号 300系
最近は「ひかり」「こだま」でよく見る300系。臨時の「のぞみ」で活躍しているようでした。
300系のグリーン車の座席。座り心地に申し分はありません。
新幹線のグリーン車には、車内誌「ひととき」と「WEDGE」が常備されていました。
この300系はJR東海の所属。先ほど乗ったJR西日本の車両に比べると、内装をシンプルに感じてしまいます。
300系は間接照明を使っているのが特徴。
小倉で下車。
この300系も、N700系と世代交代する形で平成23年には姿を消す見込みです。
6. 小倉 - 新大阪 のぞみ20号 N700系
ようやくN700系のグリーン車に乗るときがやってきました。
N700のグリーン車の座席。一見たいしたことがないように見えるのですが…
肘掛けには、見慣れないリクライニングのつまみが。シートを倒すと座面も沈み込む「シンクロナイズド・コンフォートシート」。吸い付くような感触を繰り返して味わったのはいうまでもありません。
停車駅を絞った速達の「のぞみ」だけあって、小倉からでも4割程度は埋まっていました。
N700のすべてのグリーン席にはモバイル用コンセントが設置されています。ケータイを充電して後半に備えることに。
新大阪。心地よい2時間があっという間に過ぎてしまいました。
東京に向かう「のぞみ」を見送るスタッフ。見ていてこちらの身も引き締まるようでした。
7. 新大阪 - 金沢 雷鳥89号 485系
新大阪からは北陸を目指すことに。国鉄の時代から活躍する「485系」も40年選手。
この485系も2年後には引退が決まりました。波打つ車体が車齢を感じさせます。
「雷鳥」用485系のグリーン席。2列+1列に改装されています。
車内は静かでゆとりがあるのですが、先ほど味わったばかりのN700系と比べるとくたびれた印象は隠せません。
鯖江駅。ずいぶん雪が深くなってきたようです。
8. 金沢 - 富山 はくたか19号 681系
金沢から富山まで。
グリーン席。枕の柔らかさが普通ではありません。
新幹線より構えがどっしりしています。普通車では決して味わえないこの贅沢感。
ソファに座らせていただくような感じとでもいえばよいのでしょうか。
心憎い間接照明。JR西日本はこういうシックな雰囲気を作るのが得意のようです。
名残惜しみつつ富山で下車。
9. 富山 - 新大阪 サンダーバード44号 683系
富山から大阪に引き返します。
「サンダーバード」は人気列車。キャンセル待ちで粘って、当日の博多駅でようやくグリーン席が取れました。「はくたか」の681系とほぼ仕様は同じですが、枕がやや硬い感じでした。
富山から京都まで気持ちよく眠りこけてしまいました。しばしの休息です。
10. 新大阪 - 広島 のぞみ51号 N700系
もう少しだけがんばることにしました。
午前中に乗ったN700のグリーン席の感触が忘れられなかったのです。
JR西日本のN700系のようですね。
JR東海とJR西日本と、N700では内装はほぼ共通のようです。
デッキのそばの席をあてがわれました。テーブルでPCを広げて作業することも楽にできそうです。
長く雰囲気を味わっていたいのに、どんどん進んでいきます。
停車駅を絞った「のぞみ」は、山陽新幹線の区間でも安定した需要があるようでした。
11. 広島 - 新大阪 のぞみ500号 700系
広島駅。最終ののぞみで大阪に戻ります。
JR西日本の700系。落ち着いた内装の車両に出会えるとはラッキーでした。
名残惜しみつつ新大阪へ。夢のような1日が終わりました。
雑感
きっぷの使用感
気になったこと
- 1日限りとはいえ、グリーン券取り放題、というのは窓口でもいい気分だった。
- ただ、発券履歴のチェックもなく事実上無制限にグリーン席を予約できてしまう、というのはちょっと緩すぎると思った。
- このきっぷの話題を扱った掲示板を見たり、列車の予約状況と実際とを比べてみて感じたのは、悪意ある使い方を防ぐ仕組みが用意されていない、ということ。
- たとえば夜行列車「きたぐに」や新幹線「のぞみ」のグリーン車の窓際と通路側の席を1人しか乗らないのに(発券場所は別で)押さえたり、珍しい列車のきっぷを乗らないけど押さえたりすることもその気になれば簡単にできてしまう。
- だから、予約画面上は満席だけど実際はガラガラで走る列車が出てくる。
- 乗り放題きっぷ1枚あたりで発行できる指定券の枚数を制限するとか、きっぷの単価をもう少し下げて1枚あたり500円程度の発券手数料を取るとか、そのあたりの手を打てばそういういたずらは抑えられるかと思われるのだけど…。