関心以上、好意未満 - 気になるサイトが消えたとき

毎日巡回するほどではないけれど、ふと思い出したときに覗きに行く。
そんなサイトが前触れもなくなくなっていたときに覚えた感情を、忘れないうちに書き留めておきたいと思います。

そういえば、あの人は

  • 「今、あの人は何をしているのだろう?」
    • 自分の中では根づいているというより、ひっそり息づいている場所。
    • いつもやっているように、サイトのタイトルをGoogleの検索窓に放り込んで一番上に表示された結果をクリックする。
  • すると現れたのは「ページが見つかりません」という表示。

「どうしたのですか?」

  • そこを意識するようになったのは、ともすれば嫉妬さえ感じさせる溌剌としたエネルギーが飛び散ってくるのを感じたから。
    • あれほど惹きつける記事を書いていた人が、一体どうしたというのだろう。
  • ふとしたことがきっかけで一度だけ中の人と私信でやりとりしたことを思い出した。
    • そこにメールを送れば、もしかしたら届くだろうか。
  • 「どうしたのですか?」
    • 仕上げた下書きをメールに貼り付けてアドレスと標題を入力、ボタンを押せば送れるところまで準備をする。
  • だが、単に見えることだけをもってそれを尋ねることが互いにとってどれほどの意味をもたらすのだろうか。
    • 直前になって、はっと思い返した。

「単なる興味」なのか

  • ただの読者に過ぎない自分が、そこを畳んだ理由をやすやすと訊いてもよいものなのだろうか。
    • 時にはほとばしるような思いが綴られているようなサイトだったからこそ、続けることを断念せざるを得ないやむにやまれぬ事情であったり、人には話せない、隠さなければならない思いがあったのかもしれない。
    • それを知ったところで、自分にとってどれほどの意味があるのだろう。
    • もしかしたら、自分は自身の好奇心や興味を満たしたいがためにその人の心に踏み込もうとしているのではないだろうか。
  • 「送信」ボタンに合わせていたマウスのカーソルを、ややためらいがちに横にすべらせた。

関心と好意のあいだ

  • 少しだけ気に留めていたサイトがなくなっていたことに、ある日突然気づいたとき。
    • 閉じた噂を、思いがけずどこかから伝え聞くことがあるだろうか。
    • いつかまた読める日を、心の片隅に留めつつ待っていればよいだろうか。
    • あるいは、代わりはいくらでもあるしそのような場所があったことなどやがて忘れると、割り切ってしまえばよいのだろうか。
  • 気になるけど、なくてはならないほどでもない。
    • 知りたいとは思うけれど、自分自身の何かを犠牲にしてまで知ろうとは及ばない。
    • そんな、どっちつかずの距離にある場所だからこそ。
  • 砂のように流れていくウェブは、あまりにもはかなくて、少しだけ切ない。

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