比良 貫井谷左俣 - 貫井谷右俣(沢登り)

8月4日(土)は、比良の沢「貫井谷(ぬくいだに)」の様子を見てきました。
自分の力では手を出せずにいたルートを、ご一緒した方に見守られながら無事にこなすことができました。

GPSログ(クリックで拡大)

20070804貫井谷

  • 貫井谷左俣を溯行し、武奈ヶ岳山頂に詰めた後細川尾根を使って貫井集落に下山。下山後貫井谷右俣を溯行し、同様に武奈ヶ岳山頂に上がり、細川尾根で下山しました。
  • 貫井谷は水量の少ない渓のためか、1:25000図には水線の記載がありません。青色の水線はこちらが加えました。
  • 沢状の地形では衛星信号を十分に捉えきれていないため、所々でログが途切れています。

報告と所感

2007年8月3日(金)
  • 21:35 京都市
    • 土曜日の行き先は滋賀県の比良山系でも難しめのルートとされる「貫井谷(ぬくいだに)」。
    • 今回はネットで縁を得たYamakojikiさん(Y氏)に声をかけていただいた。
  • 22:30 貫井集落林道終点(310m)
    • 貫井集落をしばらく詰めた林道の終点に車を停め、明日に備えて早々に眠りにつく。
    • 台風5号の影響がまだ残っているためか空模様は不安定。今晩は車で眠ることにする。
2007年8月4日(土)

IMGP0841
入渓点直前の林道。最近切り開かれたようだ。(写真は下山時に撮影)
IMGP0811
貫井谷左俣。これでもかというくらい小滝が連続する
IMGP0812
左俣を溯行、本日1回目の武奈ヶ岳山頂。
IMGP0819
貫井谷右俣。左俣に比べると滝の傾斜は緩く感じられる。
IMGP0829
右俣を詰めると、武奈ヶ岳の南方の登山道に出る。
IMGP0839
本日2回目の武奈ヶ岳山頂。あとは細川尾根を下るのみ。

  • 4:05 起床
  • 4:50 貫井集落林道終点 出発(310m)
    • 集落の林道を若干ではあるが詰めてあるので不毛な堰堤歩きはショートカット。真新しい林道の向こうには重機が複数。Y氏によると林道は昨年より奥まで伸びているそうである。
  • 5:00 貫井谷に入渓(340m)
    • 工事中の堰堤を横切るように入渓。しばらくは小さい岩を乗り越しながら淡々と歩く。
  • 5:30 右俣との分岐(500m)
    • 左俣の入口は注意していないと見失いそうである。Y氏に声をかけていただき自分が見過ごしていたことに気づく。
    • 一気に武奈ヶ岳の山頂に突き上げる左俣は標高差も大きく、これでもかというくらい滝が続く。だが登りようのない直瀑というのは少なく、ほとんどがナメか斜瀑。滝の前に立って「登れるだろうか?」と考えてしまうものが多い。
    • 「巻こうか?登ろうか?」迷ったときは貫井谷をこれまで何度も溯行されているY氏にアドバイスいただきながら登る。微妙そうに思える足場も何とかこなせる。とても心強い。
    • 左俣は最後の最後まで滝が続く。そろそろお腹いっぱいになった頃稜線が見えてくる。
  • 8:30-8:50 武奈ヶ岳(1214m)
    • 稜線に出るとすぐそこが武奈ヶ岳の山頂だった。一休みして細川尾根を下り出発点に戻る。
  • 9:45-10:10 貫井集落(310m)
    • 出発点の近くに戻ってきた。ここから再び貫井谷に入渓、こんどは右俣を詰めることにする。
  • 10:35 左俣との分岐(500m)
    • 左俣との分岐は注意していなければ通り過ぎてしまうので注意が必要である。
    • 左俣に比べると右俣は稼ぐ標高差も低いので滝の傾斜もやや寝ているような感じ。左俣で味わうような「嫌らしい感じ」はそれほどない。
    • 1箇所、後半の15m程度の滝の最上段は落ちるプレッシャーに圧され右壁に逃げた。そのほかは概ね水線沿いに登ることができた。
    • ただ右俣は水が涸れてから稜線に詰めあがるまでが長い。水がなくなれば速攻で干上がってしまいそうだ。自然とペースも落ちてくる。
  • 13:20-13:40 武奈ヶ岳(1214m)
    • 本日2回目の武奈ヶ岳山頂。さすがにちょっと熱だれ気味。
  • 14:50 貫井集落林道終点(310m)
    • 下っているだけなのに全身が汗ばんでくる。舗装された林道に出てげんなりしつつようやく車に戻る。
    • 行動時間10時間。ザイルを出すことなく貫井谷を2本、ほぼ水線に忠実に登ることができた。
    • 今回無事に駆け抜けることができたのは、下記のような理由からだろう。
      • ザックを縦走用から日帰りのものに替えて、軽量化を図った。
      • サイズが大きめで馴染めずにいた沢靴の「あそび」を靴下1枚挟んで調整した。
      • 「滝の状態がいつになく磨かれていて条件が良かった」(Y氏)
      • 貫井谷を深く識ったY氏のアドバイスに助けられ、ルートファインディングにかける時間を短縮できた。
    • 人づてには「貫井谷はぬめぬめしていて滝という滝が嫌らしい」と重ねて聞いていた。
    • ただ沢は条件によって難易度は著しく変わるし、今回は条件のきわめて良いなかで登らせてもらえたのだろう。
  • 16:30 京都市
    • 気になりつづけてきたルートを登らせてくれたYamakojikiさん、ありがとうございました。