2006-2007シーズン 山スキーの記録を振り返ってみました

今日で5月も終わり、あす6月1日は衣替えの日。いつの間にか初夏の足音が近づいてきました。
先週のスキー納めの余韻がまだかすかに残っているうちに、06-07シーズンの僕の山スキーの記録を振り返っておこうと思います。

白馬鑓ヶ岳 大出原の大滑降(2007年5月)

06-07シーズンの山スキー山行記録まとめ

  1. 2006/12/17 乗鞍 平湯トンネル西側〜乗鞍スカイライン〜猫岳
    • メンバー:Kiri, Taira, Ntm, hatayasan
      • 乗鞍スカイラインを黙々と歩いてスキー始め。
      • 稜線は吹雪。リーダーに借りたGPSを頼りに山頂を踏んで帰りました。
  2. 2007/2/10 奥美濃 日照岳北方1746mピーク
    • メンバー:hatayasan, Nsm, Ntm
      • ほぼ2ヶ月間山を封印したあとの山行に、奥美濃の御母衣ダム西方の通称「がおろピーク」を選びました。
      • 2006年に日照岳に登ったときと比べて、雪があまりに少ないことに驚きました。
  3. 2007/2/11 乗鞍 猫岳第三尾根
    • メンバー:hatayasan, Nsm, Ntm
      • 12月に引き続き猫岳へ。こんどは久手牧場から緩やかに伸びる尾根をトレースしました。
      • 標高が高いだけに、雪が少ない年でも森林限界から登山口まで見事なパウダー。
      • この山行がきっかけで、乗鞍岳の周辺をもっと知りたいと思うようになりました。
  4. 2007/2/25 飛騨 猿ヶ馬場山
    • メンバー:hatayasan
      • 3年前肩を脱臼した、小さなトラウマの残る山に単身足を向けました。
      • 白山を正面に望みながら山頂で昼ごはんを食べた後は、緩やかなぶなの疎林を快適に下りました。
  5. 2007/3/3 乗鞍 四ツ岳北面
    • メンバー:hatayasan
      • 山スキーメーリングリストで話題の山の様子を見てきました。
      • 一箇所沢の徒渉がありましたが、先行者のトレースに導かれて無事に山頂を踏むことができました。
      • 帰りは穂高を正面に豪快に。猫岳第三尾根と同じく、ここも乗鞍エリアで一押しのルートになりそうです。
  6. 2007/3/11 乗鞍 猫岳朴の木平ルート(中退)
    • メンバー:hatayasan, Fkz, Nsm
      • 四ツ岳で味わった快感が忘れられず、次の週も懲りずに朴の木平スキー場から猫岳を目指しました。
      • 時間切れで敗退。帰りに少しだけパウダーを味わって帰りました。
  7. 2007/3/21 奥美濃 薙刀山〜野伏ヶ岳
    • メンバー:hatayasan
      • 今シーズンも石徹白へ。二つのピークを組み合わせてプチ縦走を楽しみました。
      • 5時間の登りが下りは1時間。スキーの機動力を確認できた一日でした。
  8. 2007/3/24 頸城 天狗原山南西尾根(中退)
    • メンバー:hatayasan, Asa, Kaj
      • 天気が荒れるのを承知で頸城に体力作りに出かけました。
      • 午前中で前進は打ち切り、帰りは降りしきる冷たい雨の中を藪スキー。翌日の山は断念して帰りました。
  9. 2007/4/14 御嶽 飛騨頂上
    • メンバー:hatayasan, Asa, Kiri
      • 濁河温泉から夏道沿いに御嶽山の一角を目指しました。
      • 森林限界から上は強風とガスの中の登行。GPSのおかげで山頂を無事に往復することができました。
  10. 2007/4/15 御嶽 尺ナンゾ谷
    • メンバー:hatayasan, Asa, Kiri
      • 地形図をぼんやり眺めていて気になっていたルートを覗いてみました。
      • 二度の徒渉と登り返し、スキーにまとわりついた下駄に苦しめられ、鞍部であえなく時間切れ。
      • 苦行から解放されたあとに飛び込んだ尺ナンゾ谷は、緩やかで広くてデブリのない想像以上に快適な斜面でした。
      • グサグサの雪からザラメ、モナカ、パウダー、アイスバーンを一度に体験。春の雪はある意味で冬より手強いと感じることになりました。
  11. 2007/4/29 白山東面台地(転法輪谷左岸尾根)
    • メンバー:hatayasan
      • 山スキーを始めて間もない頃から秘かに思い焦がれ続けていたルートを訪ねました。
      • 無風の晴天のもと、誰もいない白山の大斜面に落書きを残せたことを忘れることはないでしょう。
      • 真夜中の林道をMTBで黙々と漕いだ苦労がすべて報われた、夢のような一日でした。
  12. 2007/5/3-5/4 北アルプス 白馬岳〜清水谷〜白馬鑓ヶ岳
    • メンバー:Nsm, Asa, Kiri,hatayasan
      • 山岳会の合宿で白馬の黄金ルートをトレースしました。
      • 素晴らしかったのは白馬鑓ヶ岳から大出原への、日本離れしたスケールの大斜面。
      • 有名なエリアという理由でこれまで食わず嫌いでいたことを少しだけ後悔しました。
  13. 2007/5/12 北アルプス 朝日岳
    • メンバー:hatayasan
      • MTB区間あり、アップダウンと徒渉あり、ちょっとしたルートファインディングあり。尺ナンゾ谷白山東面台地の渋いところを組み合わせたようなルートに挑戦してみました。
      • 朝日岳の山頂は無風の快晴、日本海からアルプスまで広がる展望を独り占め。
      • 折からの少雪で林道終点の蓮華温泉までMTBで入れたためか、運良く日帰りすることができました。
  14. 2007/5/26 乗鞍岳(乗鞍スカイライン経由)
    • メンバー:hatayasan

簡単に振り返って

今シーズンの山行から見えてきたことなど。

山東面台地を後にする(2007年4月)

  1. 遠征先が遠くになる傾向がありました。
    • 通年ならば福井・奥美濃エリアにもっと通っているはずでしたが、雪の少ない影響を受けて遠征先も遠くを選ぶ傾向がありました。
    • そのため、これまでならば日帰りの対象とは考えてこなかった乗鞍エリアが身近になりました。
  2. 単独行が増えました。
    • 単独で山スキーを続けることは、リスクマネジメント上は好ましくないとする意見もあります。
    • ただ、限られた時間を最大限に活用しようとすると、身軽に動ける単独行にいつの間にか食指が伸びてしまいます。
    • 特にシーズン後半、自分の目指す方向が次第に見えてきてからは、この傾向が強くなりました。
    • 似たような嗜好を持つ山スキーヤーに出会う努力をすることが必要なのかもしれません。あるいはリスクを承知で単独行を続けるならば、これまで以上に事前の準備を怠らず、細心の注意をはらって行動するほかないのでしょう。
  3. 遠征先が特定のエリアに固まる傾向がありました。
    • 今シーズンは乗鞍エリアに何度か足を運びました。
    • 一つの山域に浸ってエリアを探求する楽しみを教えていただきました。この傾向は来シーズン以降も続くのではないかと思います。
  4. 長めのルートを多く選択する傾向がありました。
    • 特にシーズンの後半は、ロングルートを立て続けに選びました。
    • 刺激を求めてテクニカルな急斜面を目指すことも魅力的ですし、静けさを求めて山の懐深くに入ることもまた魅力的です。
    • これからどの方向を目指すか、自分自身山スキーで何がやりたいのか正直まだわかっていないのですが、ジャンルにこだわるのはもう少し山行を重ねてからでもいいのかな、と暢気に考えています。*1

導入した装備

06-07シーズンから、山スキーの新たな装備にGPSMTBを加えました。1シーズン使ってみて感じたことを少しだけ。

朝日岳へのアプローチにはMTBを利用しました。(2007年5月)

  1. GPS(ナビゲーションシステム)
    • 05-06シーズンにガスに巻かれて進退窮まる恐怖を味わって以来、そろそろ必要かなと感じていたGPSを思いきって手にしました。
    • 現在位置を特定しにくい樹林帯やガスに巻かれた状態でも、進む方向を適確にナビゲートしてくれるGPS。初めて取り付くルートでも、GPSがあれば安心でした。*2
    • 特に、森林限界より上で吹雪かれて視界がほとんどない状態でも前進を決断できたのはGPSがあってこそでした。GPSがなければ、今シーズンの山行のさらに多くは敗退を余儀なくされていたでしょう。
    • GPSは終始電源を入れた状態で使っていました。一日の行動をログに残して後日PC上でつぶさに追体験できるのは、当初気づきもしなかった GPSの一粒で二度美味しい楽しみ方でした。*3
  2. MTB(マウンテンバイク)
    • 04-05シーズンにママチャリを車に積んでから2年、MTBを使ってロングルートに挑む機会をようやく作れました。
    • MTBが素晴らしいのは、アプローチにかける時間を短縮できるだけでなく、下山後の苦痛な林道歩きを爽快なダウンヒルに変えられることです。
    • 汗をかいて登った道を一気に駆け下りる快感は、山スキーのそれに近いものがあるのではないかと思いました。山スキーのアプローチと筋トレを目的にMTBを買いましたが、それだけではなんだか勿体ない気がしています。

少しずつでも、確実に進めれば。

リアルでいつもお世話になっている人たち、そしてネットで知り合った方々。
みなさんの記録や記事に刺激を受けながら、06-07年の山スキーシーズンを無事に締めくくることができました。
どこまでできるかわかりませんが、来シーズンも少しずつ自然の懐に立ち入らせてもらうことができれば、と思っています。

*1:山スキーヤー・YAMADA氏の記事「YAMADAの山スキーワールド(Diary) レスキュー研修会」のコメント欄に、最近の山スキーのジャンルが「[1] エクストリーム [2] 苦行&修行 [3] パウダー [4] 登山・縦走 [5] ハイキング」に細分化しているとの意見があり、たいへん興味深く読みました。

*2:ただし、GPSが地図とコンパスを代替するかというと、現状ではそれらを補完する以上の地位を占めることはないように思います。

*3:ただし、電源を常時ONにしているとオキシライド電池でも1回の山行で2本の単3電池をほぼ確実に消費します。調子に乗ってサイクリングやドライブでもログを採っていると予想外に出費がかさむことに気づいてシーズンの終盤に充電式の電池を買いました。気づくのが少し遅かったかもしれません…。