こんな本読んだ - 『次世代ウェブ - グーグルの次のモデル』

次世代ウェブ  グーグルの次のモデル (光文社新書)

次世代ウェブ グーグルの次のモデル (光文社新書)

ネットと社会の接点を理解するために目を通しておきたい佐々木俊尚氏の近著。
はてブで過去に話題になった記事にもいくつか言及されていて、頷きながら読むことができました。

高度な「UFOキャッチャー」

web2.0の流れにあってユーザが求めるものは、極度にパーソナライズドされた「UFOキャッチャー」。

Web2.0というパラダイムは、極大化されたデータベースの海と、そこから的確に有用なデータを拾い上げるための「UFOキャッチャー」アーキテクチャという二つの層からなっている。データベースが巨大化していけばいくほど、そこから情報を収集・マイニングするためのUFOキャッチャーは高度化していき、高い能力を求められるようになる。
21頁 プロローグ

「高度なUFOキャッチャー」の有力な候補として挙がっているのは、集合知をエンジンにしたソーシャル検索。
しかし、ソーシャル系サービスを情報収集に応用しようと考えた場合に立ちはだかるのが「ソーシャル」の指す範囲。

コミュニティが拡大すればするほど、<個人 - コミュニティ>の相関関係が乏しくなっていくというのは、実のところWeb2.0のソーシャルにとってかなり大きな問題になりつつある。
172頁 第5章 期待 - グーグルを超える「UFOキャッチャー」

一時期盛り上がった「はてブの衆愚化」はまさにその例。*1
集合知が真実を生み出せるか」というテーマはこれから再燃するかもしれません。

web2.0の次に何が来るか

本人の内なる精神的志向、心理までをも取り込んでいく段階が、そろそろWeb2.0の世界でも始まりつつあるのだ。
195頁 第5章 期待 - グーグルを超える「UFOキャッチャー」

GoogleAmazonを超える「UFOキャッチャー」を作るヒントはどこにあるのか。

  1. メタRSS、メタブックマーク
  2. 占いによる心理・行動分析
    • Googleのパーソナライズド検索やAmazonのおすすめ機能は先端を行くものとはいえ、過去の履歴を解析しているだけで将来の行動までを正確に予測は不可能。
    • 四柱推命や星占いを心理分析の手段として活用することで、かなりの確度で行動パターンが把握できるらしい。嘘のような本当の話。
    • 事前に最適な行動パターンを提示してくれる、パーソナル・コンシェルジュの降臨。

*1:本書では、はてブで昨年話題になった記事「fladdict.net blog: はてぶがドンドン馬鹿になっていく」について詳しく言及されています。