乗鞍 四ツ岳北面(山スキー)

土曜日、乗鞍岳の一角「四ツ岳」を滑ってきました。
先行者のトレースに助けられつつ、噂に違わない斜面を味わうことができました。
メンバーは単独です。

記録と所感

2007年3月3日(土)
  • 5:30 起床
    • 前夜1:00に国道158号線駄吉のパーキングに倒れ込むように到着、4時間の仮眠。少し寝坊した。
  • 6:30 平湯温泉スキー場
    • まだ車はまばら。駐車場の片隅に車を置かせていただく。
  • 7:00 平湯温泉スキー場 出発
    • 橋を渡って平湯温泉キャンプ場から尾根に取り付く。雪は硬め。


さあ、歩き出そう。

  • 8:05 1580徒渉点
    • 河原に降りて上流を見遣るが氷瀑が発達していて取り付けそうにない。
    • どうしたものかと思ったが、一旦河原に降りて少し下って尾根を乗り換えるのが正解。トレースに助けられる。


徒渉点。まだスノーブリッジは大丈夫。

  • 10:30 標高2300m付近
    • 尾根を乗り換えたあとは南に詰めていくのみ。標高2000を超えたあたりから雪が柔らかくなってきた。
    • 真新しいトレースはより鮮やかに。導かれるように森林限界を超える。
    • 沢状の地形をトラバースしようとする箇所で2名のパーティが先行されているのを確認。さらに向こうには単独行のスキーヤーが登っているのが見える。
    • しかし情けないことに僕自身バテ気味で差は開く一方。
    • 標高2300mを超え、沢状の大斜面を直上するあたりからシールが次第に滑り始める。
    • 滑落の恐怖を思い起こし、逡巡しつつもとスキーとツボ足を何度か切り替える。スキーアイゼンを忘れてきたのを少し後悔。
    • 標高2650mから雪が硬くなりツボ足+アイゼン歩行に。先行していた単独行のスキーヤーとすれ違う。なんと京都にお住まいとのこと。思わぬ奇遇に頬が緩む。
    • 標高2700mを超えるとガスに巻かれ始める。風は弱いが雪面と空の見分けがつきにくくなってきた。山頂から展望を味わいたかったが少し遅かった。
  • 12:30 四ツ岳山頂 到達


乗鞍スカイラインが見える。


山頂で記念撮影。セルフタイマーを仕掛ける余裕がなかった…

  • 12:45 滑降開始
    • ガスに巻かれた状態でガリガリの斜面を滑る自信もない。しばらく忠実にトレースをたどりスキーを履いたのはガスが晴れた標高2710m付近から。


ガスの向こうに、穂高連峰が隠れている。

    • 氷化した標高2600m付近を慎重にやり過ごす。この標高まで下がると視界はまだ晴れている。穂高を前にいざ大斜面へ。


痛快な大斜面。

    • 2月に猫岳に来たときよりも心なしか重く感じるが、紛れもない粉雪。これはすごい。
    • 森林限界の下も。圧雪されていないスキー場よろしく木がきれいに生えていない区間がある(標高2000〜2150付近?)。


これは天然のスキー場なのか。

    • 不器用ながらも重いシュプールを刻みながら、こんな場所があったのかと驚く。
    • 標高2000mから下は木が密に生い茂ってくる。谷におびき寄せられないようにトレースを意識しながら下っていく。
    • 1泊2日の計画だろうか、登ってくる数パーティとすれ違う。標高2000m付近では既にテントが張られていた。
  • 14:15 1580徒渉点
    • ツボ足で徒渉点を通過。スノーブリッジはまだ大丈夫。徒渉用に厚手のゴミ袋を持ってきたが杞憂だった。
    • 沢筋のトレースに合流すれば、山行の終わりも近い。
  • 15:05 平湯温泉スキー場 到着
    • トレースのおかげで、出発が遅れたが明るいうちに戻ることができた。
    • 駐車場で単独行の方とお話させていただく。先行していたパーティのリーダーが、このルートを「岳人」誌に紹介されたHoshiya氏であることを教えていただき驚く。
    • 帰りは下道で。国道41号線を流していると下呂市の北部に「飛騨川温泉」なる真新しい温泉施設ができているのを発見。500円で疲れをほぐしてご機嫌に。

GPSログ(クリックで拡大)

  • 標高2100〜2500m付近がこのルートのハイライト。
  • 徒渉点付近ではGPSの衛星信号が弱くなりがちだったため、トラックが乱れている。

反省など

  • 標高を上げた斜面でのツボ足とスキーの切り替えに手間取りすぎ。スキーアイゼンを使えばもう少しスキーでも登れそう。
  • 上で大斜面を味わってしまったためか、下の密な林でのスキーの動きがすっかりぎこちなくなってしまった。これは経験を積んで慣れるしかないか…。