飛騨 猿ヶ馬場山(山スキー)

日曜日、岐阜県の白山付近のピーク「猿ヶ馬場山(さるがばんばやま)」をサクッと滑ってきました。
山スキーを始めてから秘かに気になっていたピークに、これ以上ないいい条件で登ることができました。
メンバーは単独です。

記録と所感

2007年2月24日(土)

金曜の夜にアップした記事がなんとか人気エントリーに入ったのを見届けたあと、下道を半日かけて金沢経由で白川郷入り。
駐車場に車を停めて仮眠する。

2007年2月25日(日)
  • 4:30 起床
    • 足元が寒い。後部座席に干していたタオルがカチカチに凍っている。二度寝して起きたのは5:30。
  • 6:30 登山口(宮谷神社脇の有料駐車場) 出発
    • 林道沿いにスタート。前回訪ねたときの記憶を頼りに、林道はカットして尾根沿いにスキーは担いで登っていく。


静寂に包まれながら、尾根を少しずつ詰めていく

    • 林道に合流したあたりからつい数日前と覚しきトレースに合流、ありがたく利用させていただく。


うっすらと残ったトレース。

    • トレースは帰雲山で消えていた。以降くるぶし上のラッセル。見通しはしっかりしているので迷う心配はない。


帰雲山の巻きから望む猿ヶ馬場山。なだらかなピーク。

    • 帰雲山を過ぎてからシールに下駄ができ始める*1。最後でペースダウン。急速に足取りが重たくなっていく。
  • 11:52 猿ヶ馬場山山頂 到達
    • 山頂はだだっ広い平原状。GPSで確かめておおよその見当をつけて最も高いところを山頂とみなす。


白山。対峙するほどに神々しい

はるか向こうに、南アルプスの稜線が連なっているのが見えるだろうか。

    • 白山、南アルプスまで望める快晴。これ以上のコンディションはない。


山頂。白山を背に。

    • 風もほとんどない。冬山の山頂でのんびりできるのは珍しい。


なだらかな山頂。僕の後に道はできた。

    • 純白に輝く白山を前に、シャリシャリに凍ったカレーパンを頬張る。さてあとは無事に帰るだけだ。
  • 12:10 猿ヶ馬場山 山頂を出発
    • 気温が上がって少し重たい深雪。厄介なことにスキーにも下駄ができはじめる。ワックスを塗っておくんだったと後悔する。
    • 帰雲山を北方面に巻いていよいよ下りへ。重かったスキーもようやく走り出す。ぶな林の疎林を一瞬で通過、痛快なり。一人黙々とラッセルしてきた甲斐がありました。
    • 1427ピークで単独の山スキーヤーに会う。今日はここで引き返すとのこと。この日ピークを踏んだのは僕だけだったようだ。
    • ここからは快適で気持ちのよい広めの谷が続く。調子に乗って下りすぎないようこまめにGPSで位置をチェック。うっかり迷い込んでしまわないよう細心の注意をはらう。
    • 登りでスキーを担いだ濃い藪は避けたかったので、最後は林道沿いに。ガリガリにエッジを効かせながら下っていく。
  • 14:25 登山口(宮谷神社脇の有料駐車場)


林道の入口で雪は絶えた。

    • 雪が途絶えてからスキーを担ぎ、ひょっこり宮谷神社の裏に飛び出す。鳥居の前で写真をとっていた観光客夫婦を驚かせてしまい頭をかく。


白川郷はまるで春。

  • 15:00 白川郷
    • 白川郷をほんの少しだけ観光して国道156号線で帰る。御母衣ダムの湖岸のピークの雪解けぶりは目を覆わんばかり。2週間前このエリアに来たときよりも確実に地肌が露出しているように思われた。
    • 穏やかな満足と確かな手ごたえを転がしながら、スキー帰りの車で渋滞する国道の人となる。白川郷から100kmほど国道156号線を南下した美並の「子宝の湯」で疲れをほぐせば、楽しかった一日も終わる。

GPSログ(クリックで拡大)

  • ルートの途上の帰雲山、登りはピークを踏み、下りは北側を巻いた。
  • 登山口(左上)付近のジグザグは、下りで林道を忠実にトレースしたため。尾根を強引に登るよりも、時間はかかるが確実だと思われた。
  • 出発してから(左上)しばらくの間は電波の受信が不安定で、大ざっぱな軌跡になっている。森が雪を被って深かったのと、懐にGPSを抱きつつ前のめりにラッセルしていたのも影響しているだろう。ログをしっかり記録するつもりならGPSはザックの天蓋に入れておくくらいでちょうどいいかもしれない。
  • 青いフラッグは事前にルートに落とし込んでいたもの。GPSデータ編集ソフトの「カシミール」で地図を上手く読み込めなかったため、上部に地図の画像が表示されていない。

反省や言い訳など

  • 地元の方いわく、雪は例年の半分、今で3月下旬か4月上旬の雪の量とのことだった。今シーズンは寒波らしい寒波もなく終わってしまうのだろうか。
  • 実は3年前にここで肩を痛めて以来、猿ヶ馬場山は僕にとって小さなトラウマでありつづけていた。暖冬で晴天とはいえ2月に独力で登れたことで、のど元に引っかかった小骨を取り除くことができた。そんな心境でいる。

*1:スキーの裏に雪の塊がまとわりついて離れなくなること。