街の山ヤが遠くの山を楽しむために地道に続けたいこと

少し前の記事ですが、「オタクの地域格差 - はてな匿名ダイアリー」で、オタクの情報は都会に集中していて地方との格差は開く一方だという話がありました。
僕の場合、趣味で「山登り」を細々と続けているのですが、自然に親しむ趣味になるとインドアとは事情が逆と言っていいほど違っていて、町に住んでいているほど楽しむための敷居が高いなあと思うことがあります。
いちばんわかりやすいのは、山に出かけるためのコストでしょうか。
たとえば、京阪神(関西)から信州の白馬にクルマで行くケース。前の晩に地元を出発して一晩高速道路を突っ走って、通行料金とガソリン代を足して、クルマなら往復1台あたり交通費だけで20,000円強。必ずしも手軽に行けるわけではありません。
町に住んでいて、遠くの山に足を運びつづけようと思うならば、どんなことに気を遣っておけばよいのでしょうか。
おカネを切り口に、普段ぼんやり考えていることを少しだけ書いてみます。

クルマを使わないとき

海を越えたエリアなどは、車ではカバーできない範囲になってきます。

  • 公共の交通機関を使う。
    • 学生時代よく使っていた方法。昔は夜行列車、今は夜行バス。
    • 時間はかかりますが、シーズンは「青春18きっぷ」を使うのも手ですね。(もっとも、これは時間のある学生に許された特権なのかもしれませんが)
    • ただ荷物が重いうえアプローチにタクシーを使うことの多い冬山だと、それなりの固い意思と覚悟が要求されるところです。
  • 割引制度を使いこなす。
    • たとえば航空会社のバースデイ割引を使えば、遠いところにも躊躇わずに行けるでしょう。
    • 山の日程と誕生日の重なるメンバーがいるときは、ありがたく利用させていただきましょう。

クルマを使うとき

交通も不便で荷物の多い冬山は、もはや車なしでは考えることができなくなりました。

  • 相乗りで行く。
    • 行きたい場所の計画を立てて、誰か一緒に来てくれる人がいないか募集する。下世話な話、メンバーの人数が増えるほど一人あたりの交通費の負担を減らすことはできます。
    • 人の立てた計画に相乗りさせてもらうのも、お気軽で手っ取り早い手段ではあるでしょう。
    • 似たような嗜好の人が集う組織*1に身を置くのは、こういうときに有利に働くのかもしれません。
  • 有料道路は避ける。
    • 高速道路を使うとしても、ETCの深夜割引と通勤割引を最大限に利用して料金を節約します。
    • ただ人を乗せているときにこれをやりすぎると嫌われるので、さりげなく織り込んでおくのがよいでしょう。
    • 個人的には「どこまで下道で粘れるか」を試すのは山の行き帰りの密かな楽しみでもあります。下道だと燃費も良好、思わぬスポットを見つけられるおまけもついてくるので侮れません。
  • クルマを寝床にする。
    • 雨でも雪でも、クルマと寝袋があればどこでも眠れます。
    • 日帰りの山を連続で登るときはこれを使いましょう。道の駅だと洗面所・自動販売機が完備しているので同行者が不慣れであっても安心です。

リアルに根ざしながら趣味に親しみたい

ネットは便利でもあり罪深くもあるなあと感じることがあります。
情報を伝えるインフラが整うほど、ほぼリアルタイムにあちら側*2から伝わってくる熱い息遣いに悶々とする日々。
趣味に費やすお金や時間だけを見ていると、アウトドアの趣味は地方に住むほど親しみやすく経験や技術を身に着けるにも有利であるとは思います。
ただ反面、傍から見ればマゾヒソティックで奇特な趣味に付き合ってくれるようなメンバーを探す場合、絶対的なパイの少ない地方では壁に早晩突き当たるとも考えられそうです。
「何が何でも一人で成し遂げよう」とするよほどの固い意思がない限り、この壁は思った以上に高いのかもしれません。

何が言いたくなったかというと、「趣味にそれなりに打ち込もうとするとおカネも手間もかかるよねー、でもなんとかして新鮮な気持ちで好きなことに親しんでいたいよねー」ということ。
それ以上でも、以下でもないのですけどね。

*1:山登りの世界には、「山岳会」という山登りが好きな人が集う集まりがあります。

*2:ネットからという意味と、山の麓のそばからという二つの意味を込めて