こんな本読んだ〜『ネットvs.リアルの衝突 - 誰がウェブ2.0を制するか』
ネットvs.リアルの衝突―誰がウェブ2.0を制するか (文春新書)
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/12
- メディア: 新書
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Winny裁判を軸に、ネットを国家や企業が囲い込もうとする「覇権化」を憂う視点を盛り込んだ本書も、前作『グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)』同様是非読んでおきたい本となるでしょう。*2
日本の標準化、三度の敗戦
日本のIT産業が標準化を果たせなかった過去の事例について。
最近報じられた国産検索エンジン開発の動き、Winny裁判の判決の深意を理解しようとするならば、ここはきちんと押さえておきたいところです。
ネットとリアルの衝突
法政大学・廣瀬克哉氏の分類する、情報革命が社会に与える影響のシナリオ。
- 民主化
- アナーキー化
- リアル社会が解体された結果、社会の基盤は失われ、秩序が崩壊していく。
- Winny開発者の抱いた、インターネットやコンピュータが社会を変えうるのではないかいう「変革思想」は、ネットとリアルの衝突を引き起こしました。
- リアル社会が解体された結果、社会の基盤は失われ、秩序が崩壊していく。
- 覇権化
- 政府や大企業が巨大なパワーによって新技術を内部へと囲い込み、自らの覇権を復活させる。
- 本来自由であったはずのインターネットが国家間の紛争の具と化してしまう。Googleの検索結果に中国政府が検閲を要求した事例などが記憶に新しいでしょうか。
- 政府や大企業が巨大なパワーによって新技術を内部へと囲い込み、自らの覇権を復活させる。
Winny裁判の記事に詳らかに目を通している向きには多少物足りなさが残るかもしれませんが、Winnyが生まれるべくして生まれた、衝突すべくして衝突したという理解を深めるためには、本書は格好のまとめになると思います。
関連する記事
『ネットvs.リアルの衝突』の書評で目に留まったものを挙げておきます。
*1:最近ならば「CNET Japan Blog - 佐々木俊尚 ジャーナリストの視点 - ネット世論の「拠って立つ場所」とは」で最新の記事を読むことができます。
*2:『Google』を読んだ所感は「忘却防止。 - 見えない権力〜『グーグル 既存のビジネスを破壊する』」に書きました。