こんな本読み返した〜『オホーツク諜報船』

北方領土付近でロシア警備艇が日本漁船を銃撃して1人が死亡、3人が連行されたニュースが話題になって2週間近くが経つ。
北方領土がらみで学生時代読んだ本を思い出したので、本棚から引っ張り出して読み返してみた。

オホーツク諜報船 (現代教養文庫―ベスト・ノンフィクション)

オホーツク諜報船 (現代教養文庫―ベスト・ノンフィクション)

1980年の著作。西木正明氏Wikipedia)はこの作品で日本ノンフィクション賞新人賞を受賞している。
領海侵犯区域で密漁していたのを拿捕され、「ソ連の資源を盗んだ」と収容所で服役していた漁師にぶら下げられたのが、日本の自衛官や警察の名簿など、西側の情報をソ連に提供するスパイの任務。引き受ける見返りに北方領土の海域で漁をすることを許される。公安当局や仲間を欺いての危険な任務だ。
持ちつ持たれつの蜜月の関係は長くは続かない。要人をソ連に引き渡す最後の任務を果たした漁師たちに下したソ連の判断は、漁師を口封じするために漁船もろとも海に沈めることだった。

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シエスタ〜夢の途中で〜 | オホーツク諜報船
『オホーツク諜報船』の詳しいあらすじと感想が述べられている。ここに目を通せば、この本を読みたくなるかもしれない。
東京新聞:領土保全へ警備強化も 北方四島に巨額投資 プーチン政権
東京新聞のサイトより。「ロシアが急激な経済成長をとげ、北方領土問題における対日経済協力の意味が薄れる中、領土保全を強めるプーチン政権の姿勢が、北方海域での漁船取り締まり強化に微妙な影響を与えた可能性もある。」との記述がある。