東北 飯豊 頼母木川下ノ小俣沢(3日目 下ノ小俣沢出合〜稜線〜下山)

泥壁の高巻き、最後の激ヤブ

 下ノ小俣沢出合の20m大滝。右壁を巻いた
4時起床、6時出発。暖まりきらない身体だが、20mの大滝の高巻きから行動をスタートする。大滝の左岸の泥壁のルート工作はAさん。ザイルを背負っている僕が続いてユマーリングで登って次のピッチをリードするAさんを確保する。確保している最中下方の雪渓が音を立てて崩壊する場面を目の当たりにする。1ピッチ目の取り付きはアイスハンマーを泥壁に打ち込んでいても足場が怪しかった。2ピッチ目の岩の乗り越しは荷物を背負った状態では少々おぼつかなかった。
ここを越えればあとは難所といえる場所はない。ゴルジュに架かる小滝はY君・NZ君のリードで越えた。
最後は藪。背丈ほどもあろうか濃い笹藪に四方を囲まれて進むことさえままならない。眼鏡を藪にもぎ取られる。汗が全身から噴出す。頭が白くなってくる。濃い藪に遮られて先が見えない。まだだろうか。集中力が途切れそうになった頃、ようやく稜線が見える。どうやら山頂をめがけて藪を漕いでいたようだった。軌道修正して藪をトラバース、稜線になんとか詰めあがる。
 藪こぎを終えて、頼母木小屋西方の稜線に出た
稜線から登山口までは足早に下る。稜線に詰めた時点で緊張感が切れてしまったようで足元がまるでおぼつかない。やはりまじめにトレーニングしないと体力なんてすぐに落ちてしまう。それでも飯豊山系のたおやかな稜線、優しげなぶなの森はすばらしい。沢登りでなく縦走やハイキングをメインにしても、十分に楽しめそうだ。
頼母木小屋から足の松登山口まで、コースタイム4時間強を2時間半で駆け下りる。当初は間に合うとは思っていなかった16時のバスで胎内ヒュッテへ。ふうっ、なんとか最後まで行かせてもらえました。
あとは温泉に入り沢臭さを流れ落とし、酒類の買い出しを済ませ地元の回転寿司で腹ごしらえ。新潟西から北陸道へ。栄PAのあずまやでささやかに打ち上げてPA泊。
翌日(8月15日)は6時出発で北陸道を南下。お盆の渋滞を避けて13時には京都市内に到着。エアコンが効かなくなってきたと思い外気温に目を向けてみると、気温が40度を差しておりびびる。