東北 飯豊 頼母木川下ノ小俣沢(1日目 停滞)

8月11日から15日まで、東北の飯豊(いいで)山系に沢登りに行ってきました。
沢登り」というのは、川の源流を山の頂上まで詰め上がる、登山のジャンルの一つに数えられる遊びです。
自分自身本番に向けて十分なトレーニングを積めたとはいえなかったのですが、強力なリーダーとメンバーに鼓舞されて、終始密度の濃い山行を楽しむことができました。
以下、簡単に所感を書きつづってみます。気が向いたら、あとでちょこちょこ追記していくかもしれません。

出発まで

今年の沢登りの夏合宿の行先は、東北の飯豊山系の沢に決まった。沢登りをしている者にとって、飯豊・朝日連峰の沢は一つの憧れでもあり目標でもある。
沢の伝道師でありスペシャリストでもあるA氏をリーダーに、6名での溯行となった。

入渓まで

8月11日(金)、22時に京都駅に集合し東北に向けて出発。今回は片道約650kmの長丁場、さすがに運転を交替してもらいながら深夜の高速道路を突っ走る。北陸道を夜通し走って日本海東北自動車道の中条ICで下車。国道7号沿いのマックスバリュで朝食やおつまみの買い出しを済ませ、ひとまず目的地の胎内ヒュッテには7:30頃到着する。
ここから頼母木川の入渓点までは1時間強歩くつもりだったが、奥胎内橋まで季節運行するバスに偶然乗ることができた。片道300円、5分で足の松尾根の登山口に到着。沢装備に身を固め入渓。

突然の雨、恵みの雨

ところが沢に入ってものの30分もしないうちに空から大粒の雨が注ぎだした。みるみるうちに川が白波を立てて濁っていく。ダムの堰堤の前で一旦引き返し、林道上で様子を見ることに。林道上でタープを張って雨宿りのスペースを確保したあと川面をのぞき込むと手が着けられないほどの濁流。この日の入渓は見合わせるほかなかった。
恨めしい雨は昼前にはおさまり日差しすら差してきた。昨夜の睡眠不足を解消すべくメンバー全員死んだように眠る。16時を過ぎ思い出したようにツエルトを張り、焚き火にも点火。日射しを浴びてかなり乾燥していたのだろうか、おもしろいほど良く燃える。
 濁流で初日の入渓を見合わせる
 おもしろいほどよく燃えてくれた

東北の強い虫

東北の沢は、紀伊半島の沢以上にアブや蚊が多いとのこと。今回の山行を前にリーダーからは「顔に被せる網」を持参するよう指示があったが、その猛威は想像を超えていた。網を顔にかぶっても隙間をつくようにアブと蚊が襲ってくる。ジャージやタイツで武装していても関係なく痒みが全身に走る。露出している耳や顔はもちろん、背中や脚や臀部、とにかく全身がかゆい。これなら多少寒いほうがまだましだ。
翌朝、ツエルトを撤収しようとしたところ、全面に所々赤い斑点が広がっていた。どうやら、僕が蚊に献上した血液が、すり潰された蚊からそのまま吐き出されているようだった。