はてなのウェブサービスを誰にでもわかるように説明すると

まだまだ世間ではマイナーな、SBMRSS

直近の市場調査によると、RSSリーダーSBMはまだ普及しているとは言えない状況。
ブラウザのお気に入りからウェブにアクセスするスタイルが依然として根強く支持されているようだ。

はてな」って、なに?

ところで先日、知人と思いがけずはてなウェブサービスについて意見を交わす機会があった。
はてなはたくさんサービスを提供しているみたいだけど、情報を集めたいときにどんなサービスを使えばいいか、今ひとつわからない」とのこと。
「ああ、はてなアンテナは1.0なサイト、はてなRSSは2.0なサイトをチェックするときに使えばいいよ」と言いかけたところで、入門者向けの説明にまるでなっていないことに気づいて慌てて言葉を飲み込んだのだが、はてなに初めて触れようとしている人にはてなの(情報収集系)サービスをゼロから説明するとすればどんな感じになるか、言葉をかみ砕いて考えてみようと思った。

はてなウェブサービスを、ゼロから説き起こしてみよう

はてなのサービスは、ウェブにつながっていれば、どこからでも使える。

今までは、自分のパソコンのお気に入りからネットサーフィンを始めていただろう。それだけに、他のマシンでウェブを見ようとすると不自由に感じたことも多かったはずだ。
はてななら、ネットにつながっていさえすれば、どのパソコンからでも環境を呼び出してサービスを使うことができる。

はてなアンテナは、動くお気に入り。

これまで、ブラウザのお気に入りをジャンルごとにフォルダで管理して、ブックマークが増えればさらに深い階層にフォルダを作るという作業を繰り返していたんじゃないだろうか。
ただ、お気に入りが増えすぎるとサイトの巡回を漏らしてしまったり、更新されているかもわからないのにサイトを様子見で訪問してしまうことが増えていったと思う。
はてなアンテナに気になるサイトを登録しておけば、更新された日時順にサイトを自動的に並べてくれるので、巡回のロスを減らすこともできるし、取りこぼしもぐっと減るはずだ。

はてなブックマークは、高機能なしおり。

たとえば、巡回先のウェブサイトの個別のページで、気になるフレーズを見つけたとしよう。
「このページはまた近いうちに訪問するかもしれない」と思って、これまではひとまずブラウザのお気に入りにそのページを登録していたと思う。
ただ、これをやってしまうとトップページと個別のページとの区別がつきにくくなって、きちんと管理していないと巡回するときに非常に面倒なことになる。
はてなブックマークを使えば、トップページでなくても、サイトの中の個別のページを登録できる。いわば本に貼る「付せん」「しおり」みたいなものだ。
ただ登録できるだけじゃなくて、しおりを分類するときに役立つ「タグ」や、ページを読んで感じたことなどを書き留める「コメント」を残すことができるので、今までと比べると登録した動機を覚えておけるし、後から振り返るときに便利に感じられるはずだ。

はてなRSSは、安全な自分向けメールマガジン製造機。

これまで、情報を収集する手段のひとつとして、メールマガジンを読んだことはなかっただろうか。
メールマガジンを購読していて、鬱陶しいと思うことは三つある。
一つは、必要とする情報以上にメールに広告が挿入されること。中には広告だけのメールを定期的に送りつける業者もいる。
二つは、削除しない限りメールは受信箱に溜まり続けるということ。次第にメーラーが重くなっていることは気づいているのに、読んだメールをこまめに削除しようとはなかなか思わないだろう。
最後、これが一番たちが悪いのだけど、一つのメールマガジンを読み始めたのがきっかけで、見知らぬ送信元から大量に迷惑メールが届き始めることがある。購読するときに登録したメールアドレスが、本来知らせる必要のない業者に流れた可能性は拭えない。できればそういった情報は、信用できる機関や知人以外には渡したくはないところだ。
RSSリーダーは、今までメールマガジンに抱いていた懸念を取っ払ったうえで、気になるサイトから新着情報を自動的に手に入れることを可能にした道具、と思ってくれればいい。
気になるブログやニュースサイトのRSSを組み合わせれば、自分専用のポータルサイトができたようなものだ。メールアドレスを登録する必要がない意味ではメールマガジンより安全と言えるし*1、広告に溢れたメールを受け取る必要もなくなる。また旧くなった情報は自動的に削除される仕組みになっているので、読んだメールを削除するといった余計なことを考えなくてもいい。
RSSリーダーで購読できるサイトかどうかを確認しようと思ったら、「フィードの新規追加」のフォームに登録したいサイトのアドレスを放り込めば、RSSリーダーで読めるかどうかはすぐにわかる。

じゃあ、なんではてなを使うの?

これまでの説明を聞いていて、同じようなサービスがあちこちのポータルサイトで提供されているなかで、なぜはてなを使うのか疑問に思ったかもしれない。
確かに、単発のサービスだけを見ていけば、はてなRSSより使い勝手のいいRSSリーダーはあるし、単にしおりとしてだけブックマークを使うなら、後発で新しい機能を打ち出したサービスがいくつも出ている。
これはもう少し使い込んでいくとわかると思うのだけど、それぞれのサービスの中を覗いてみれば、ユーザのコミュニティのようなものが見えてくるはずだ。はてなブックマークをしばらく使っていれば、自分と似たような記事をブックマークしているユーザの存在に気づくだろうし、はてなRSSでも自分の購読しているサイトをどんなユーザが読んでいるかを知ることができる。欲しい情報を手っ取り早く集めるうえで、気になるユーザは水先案内人。要は財産みたいなものだ。
また、はてなウェブサービスは使い勝手を考えて密接に連携しているというのもある。はてなRSSの画面からはてなブックマークにブックマークしているユーザの数を知ることができたり、はてなブックマークに直接記事を登録できるなんてのは、その一つの例だろう。
サービスを上手く組み合わせて独自の楽しみ方を生み出しているのが、他のポータルには真似できない、はてなならではの魅力かもしれない。

*1:はてなRSSの場合、プライベートモードでもリファラがついてしまう意味では、安全とは言い切れないかもしれない