ブックマーカーの記憶の集合として、はてブのコメントページは残り続ける

あなたの替りなんていくらでもいるけれど

ブログを閉鎖すること自体、自分が知らないだけで、ブロゴスフィアのあちこちで日常茶飯事に起きていることだろう。
たかだかブロガー一人が更新を停止してエントリを全て削除したとしても、遠からず替りのブロガーに視線が移って何もなかったかのように興味も自然に移っていくのだろう。
それでも、自分の思考の水面に雫を落としてくれたブログに際しては、たとえそのブログが閉鎖されていても、記事を時に読み返したくなる衝動に駆られることがある。

ブログは閉鎖されても、はてブのコメントページは残り続ける

ブログが閉鎖されると言及先のリンクは全てリンク切れになり、RSSフィードのキャッシュも2週間もすれば読めなくなる。
それでもエントリを振り返りたいときは、はてブのブクマコメントのページを思い出してみよう。
もちろん、はてブのコメントページはエントリの序文を自動的に抜き出したもので、エントリそのものを現すわけではない。
注目したいのはブックマーカーが残したタグやコメントである。
琴線に触れたコメントを抜き出したものもあれば、エントリへの率直な感想を述べたものもある。タギングにとどまるものもあれば、タグもコメントもないものもあるだろう。
そこから感じ取ることができるのは、そのエントリがはてブの空間に生み出したブックマーカーの「記憶」である。

コメントページを開くためには

ただ、その場所にたどり着くには、合言葉を知っていなければならない。
はてなユーザならば、はてなのIDである。
はてブなら、「注目のエントリー」の検索窓にURLを「http://d.hatena.ne.jp/ユーザのID」の要領で放り込む。Googleなら、「id:ユーザのID」を検索窓に入力すれば、たいてい気になっていたユーザの注目のエントリー一覧のページに導かれるはずだ。
IDやURLがわからなければ、ブログのタイトルをGoogleに打ち込めば、そのブロガーを取り上げた記事に出会うだろう。そこからリンクをコピーして「注目のエントリー」ページにURLを入力してみればどうだろうか。
支持のあった記事は「注目のエントリー」で時系列順に表示できる。
ブログの軌跡をたどりたいときは、不完全かもしれないが*1「新着エントリー」をクリックすればよい。
人気のある記事は「人気エントリー」をクリックすれば、そのブロガーがどのような記事で注目を集めていたかがわかるだろう。
そのときにエントリが呼び寄せたブックマーカーの思いをたどりたければ、コメントページを開いてみればよい。
ブックマーカーが残したコメントで、そのときに共有された頷き、同意、批判めいた思いなどをたどることはできないだろうか。

ブログの読まれた場所としてのはてブ

ふと疲れたとき、なぜネットに向かっているのかわからなくなったとき、はてブの遺してくれた「遺跡」*2を大事な宝物のように手繰り寄せたくなるときがある。
ブログは閉鎖されようとも、はてブがサービスを続けている限り、エントリに寄せられた記憶の集合として、はてブのコメントページは残り続ける。

*1:ブックマークされていない記事は抜け落ちる点で

*2:記憶をとどめているが、完全に記事を再現しているわけではない意味を込めて