幅広いユーザを対象としたソーシャルサーチは機能するか〜Yahooの次世代検索の話題から

SBMは普及前夜にあるのかもしれない

はてブのモチベーションが上がったわけでもないのに、寝る前にはマウスのホイールを延々とスクロールさせねばならないほどにブクマを溜める日々がこのところ続いている。
はてなダイアリーリファラから新しいSBMからのアクセスがあることがわかり、国内だけでもかなりの数のSBMサービスがリリースされていることを知ると、いよいよSBMも普及前夜に入りつつあるのかなと感じずにはいられない。
ああ、これがシナ千代先生の語るところの「ネット宇宙の広がり」なのかもしれないな、と思った。

Yahooのソーシャル検索はどのようなものなのだろう

今週は、Yahooが「次の検索」としてソーシャル検索に力を入れるというトピックスがあった。
第1弾はSBM関連のサービスが投入されるようだが、Yahooの擁する膨大なユーザと扱うコンテンツの広大さから想像する限りでは、カテゴリ検索により流動性を持たせたイメージが案外考えられそうな気がしている。
今はヤフーのスタッフにしか与えられていないカテゴリ検索の編集権限を一般ユーザにも開放して、変化にすばやく対応できるカテゴリ別のリンク集を作り上げるようなイメージ。
リテラシーの高いユーザにはWikipediaよろしくブクマの作業に加わってもらって、初心者には作り上げたカテゴリを利用してもらうようなモデルだろうか。

ユーザ層が幅広いからこそつきまとう不安

一方で、最大手のYahooだからこそ、民主的な決定を趣旨としたソーシャルサーチが正常に機能するのか、不安は常につきまとう。
この狭いはてブ界隈でさえ、botに注目のエントリを無意味化されるケースが起きたり、集団でブックマークスパムを働きホッテントリを自作自演する事例が出ているほどである。
はてなとは比較にならないほど幅広い層かつ大勢のユーザを抱えるYahooに、この手のノイズが発生しないとはとても思えない。
幅広いからこそ、SBMが普及を迎えたとき、サービスの利用者が特定の意見にミスリードされたり取り上げられる記事の質が落ちて衆愚化する危険は避けられないように思える。あるいは、2chのVIPブログの舞台裏よろしくブクマネタの自作自演が疑われる事例も出てくるだろう。

folksonomyが機能するためには、ユーザ間に緩やかな信頼があることが前提ではないだろうか

自分が今はてブを楽しめているのは、コミュニティにリテラシーの高いユーザ(自分のお気に入りに入れているユーザ。あるいは全体を見渡すならいわゆるアルファクリッパー)がいて、さらに周辺のユーザと、一方通行ではあるかもしれないが緩やかな信頼を感じられていることが大きな理由なのかもしれないと思っている。
Yahooが巨大なユーザ層を対象に、どうやってFolksonomyを機能させるのか、非常に興味がある。
それとも、同じSBMであっても関心やリテラシーによってサービスを使い分けるシーンがこれからは一般的になっていくのだろうか。