北アルプス 雲ノ平スキーツアー(新穂高〜双六岳〜雲ノ平〜北ノ俣岳〜飛越トンネル)3日目

報告と所感

4時起床、6時過ぎ出発。
テントを張った地点は雲の平山荘のやや西南西の方向だった。早朝で雪の状態が固いため、黒部川までは急な祖父沢をダイレクトに下るのは避けて、祖父沢と祖母沢の間の緩やかな尾根を選んで下る。1箇所祖母沢が割れておりスキーを担いだ場面があったが、Aさんのルートファインディングで難なく下れた。
黒部川はさすがに割れていたが、適宜右岸と左岸を切り替えつつ歩いていける。地形図上は河原なのだが実際には緩く高巻きせねばならない箇所もあり、河原沿いのルートなど雪の状態によっていかようにも難易度が変わっていくことを肌で感じる。赤木沢出合の手前の沢の直前で左岸を高巻きせねばならない場面に出くわし、ここから北ノ俣岳に向けて稜線を上がることに。右手にウマ沢を覗きながら真っ白い斜面を稜線に向けて登っていく。ほどなく2578ピークと2565ピークの間の鞍部に飛び出す。背後の黒部五郎岳の大斜面が美しい。赤木岳は東側斜面をトラバース、白い砂漠をあえぐようにとぼとぼ歩く。
北ノ俣岳の分岐には薬師岳方面から帰る山スキーヤが大勢休んでいる。ここからは飛越トンネルに向かって下るのみ。ビンディングを締めてでは行きましょう。寺地山への登りまで標高差500m、一枚斜面の滑降。雪が緩んでいるため不自由は感じない。白山を正面に望んで下る。振り返れば黒部五郎岳。ああ、来てよかった。
途中、薬師岳方面を滑ってきた同じ山岳会のS氏一行に偶然出会い、林道の除雪終点から国道まで長い距離を送っていただく。おかげでタクシーを待つ時間を相当短縮。新穂高温泉と国八食堂を楽しんでも、めでたく全員が終電までに自宅に戻ることができた。
翌日は一日放心状態であった。

山行を終えて

尾根をトレースするだけでなく、谷をつなぎながらルートを結んでいく。これぞスキーツアー。
快晴の中、山の新しい楽しみ方もまた一つ覚えることができて、すべてが順調かつ充実した山行となった。
どこまで行けるかわからないが、もう少し先を見たくなってくる自分はやはり貧乏性なのだろうか。
むしろ、今回一番感謝しなければならないのは、この楽しみを共有できる人たちがすぐ近くにいることに対してだろう。

関連情報