『ベルクシーロイファー No.32 2005』

定価1,800円+税。
スキーアルピニズム研究会(RSSA)の会報。
ほぼすべての記録にはルート図が添付されており、単なる所感にとどまらず資料としての使い勝手が考慮されている。
気になった記録は下記のとおり。

  • 東周辺- 奥利根横断:3月初旬。大滝のある越後沢を滑る発想が大胆。夏に沢登りで偵察していなければ到底なしえない偉業。
  • 中部- 昼闇山:GW、1泊2日で昼闇谷を詰めて山頂近くからルンゼを滑降。急斜面にエントリする場面を写真にとらえてある。
  • 中部- 火打山笹倉温泉からの影火打ルート。影火打ルンゼに向かうにあたって溶岩状地形を2箇所横断していたり、急峻なルンゼを登ったりするなど、他のサイトで見られる記録に比べるとルートファインディングはベストとは言えないがGWの雪質に助けられ無事登頂している。
  • 北アルプス- 輝山:2月下旬。「平湯峠から乗鞍岳に向かうパーティが多く、輝山に向かうトレースはほとんどなかった」とのこと。まだまだ短いアプローチで静かな山旅を楽しめそうなエリアである。
  • 北アルプス- 常念岳:2月初旬。パーティの足並みが揃っているからこそできる山行。
  • 北アルプス- 黒部川白龍峡横断:3月下旬。身体から身震いがする黒部スキー横断の記録。厳冬期の剱沢、黒部別山の主峰ルンゼを滑降。間隙を縫うような緻密なルート取り、ヘッデン行動でも滑降を続けるパフォーマンスの高さにはただ驚くばかり。
  • 北アルプス- 日本オート・ルート(オリジナル版):ヤマケイの2006年2月?のスペシャルクロニクルにも載った記録。GWをフルに生かした大記録。個人的には赤牛岳〜水晶岳間の沢筋の滑降が気になった。
  • 北アルプス- ジャパンオート・ルート(後半):GW、穂高から剱へ。急斜面をセレクトしたスキー縦走。
  • 奥越- 荒島岳:3月初旬。山頂から橋架谷というルンゼを滑降。結局今シーズンも行き逃しただけに気になった。