Ajaxバリバリ=フレームの弊害2.0?

ブログがブレイクする2年ほど前までに、ウェブサイトにフレームを使うことの弊害については語り尽くされたと思っていた。

ユーザビリティから見た、Ajaxの思わぬ落とし穴

昨年Google Mapsがデビューして、地図をグリグリドラッグできるのは「Ajax」という技術が使われていることを知った。
その後、ウェブ上で動く日本語IMEウェブ上でWordばりの機能を実現できるワープロが立て続けにリリースされるたびに新鮮な感動を味わってきたが、ウェブサイトの運営やユーザビリティを考えた場合、Ajaxバリバリなことが必ずしもいいことずくめではないことに気づかされた。
たとえば友人に見せたいページがある場合、僕のようなエンドユーザはアドレスバーに表示されたURLをコピペしてメールで送っているが、Ajaxバリバリなページではそれができないようなのだ。
理由はこうある。(以下、web2.0っぽくなるとSEO対策が困る!?より)

Ajaxなどの非画面遷移型のUIは、画面は変わってもURLに変化がないからです。つまり同じURL上の画面内で、ページが変わります。

フレームを使ったサイトならば、ページ上を右クリックして「プロパティ」を開き、表示されるURLをコピペする。
管理者が想定している「フレームの枠組みをはめた状態」を再現はできないが、情報がなんとか伝わる余地はある。
ただAjaxの場合は、エンドユーザの小手先で解決するには敷居がぐんと高くなりそうだ。

Ajaxバリバリなサイトは検索エンジンにクロールされにくい

検索エンジンの検索結果にも思わぬ影響が及ぶようだ。

ユーザーのキー入力やマウスアクションによってページが変化する、いわゆるweb2.0っぽいUIは、どれだけ中のコンテンツが変わっていても、検索エンジンのコンテンツ収集ロボットからすれば、まったく同じページであると判定されるのです。ウェブマスターにとって、Web2.0っぽいUIは便利さや斬新さとアクセス数減という諸刃の剣であるのです。

頻繁に更新されるコンテンツが、Ajaxを実装した部品のなかに含まれる場合、検索エンジンのロボットがコンテンツをクロールしてくれない、という事態もありうるということなのだろうか。
ただ、Google Mapsの本家ならば右上の「このページにリンク」のリンクをクリックすればURLが表示され、「ここで集まろう」みたいな形で友人に場所を伝えることはできる。

Ajaxの思わぬ落とし穴」が「フレームの弊害2.0」な文脈で語られる日が来るのだろうか。
あるいは、動的なページもフルにクロールするべく検索エンジンも進化を続けるのだろうか。
少なくとも今の時点では、ウェブのアクセシビリティを考える材料として「Ajaxを使ったサイトでは、特に工夫を施さない限り、Ajaxを実装した部分の個別のURLは表示されない」ことは覚えておいてもよさそうだ。

追伸

特定のURLを伝えることができないためにウェブサイトの運営に難渋する事例は、下記のページでも詳しく解説されている。
FLASHで作りこんだサイトに違和感を感じる原因がよくわかる。