価値がありながらも検索しにくいページを「秘境」と呼んでみたい〜ネット時代に「秘境」があるとするならば

リアルな秘境は、もはや失われている

秘境の定義を「訪れる価値が十分あるにもかかわらず、険しいなどの条件のために、たどり着くことが容易ではない場所」とするならば、現代においてリアルな秘境は失われたと考えるのが自然だろう。
信越の奥地「秋山郷」などのように、かつて日本の秘境と喩えられた場所であってもいまや立派なウェブサイトが立ち上がっているのを見ていると、「秘境」という言葉が皮肉にも人を寄せ集めるための飾り文句に意味合いを変えてしまっていることを意識せざるを得ない。

秘境は、死語になったのだろうか

それでは現代において「秘境」は死語になったのだろうかと嘆いてみたくもなるが、立ち止まって足元を見ていると、現代の秘境はもしかして現実でなくバーチャルなウェブの空間に見出せるのではないかという気がしてきた。
アンビエント・ファインダビリティ ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅』をぱらぱら読んでいて妄想したのだけど、リアルの定義に倣って、ウェブにおける「秘境」を「読まれるべき価値があるにもかかわらず、何らかの障碍があるためにたどり着くことが容易ではないページやサイト」と言い直せないだろうかと思った。
簡単に言うと、「いいこと言ってるけど、検索しにくいページ」である。

ウェブにおける「秘境」とは

それでは、「検索しにくいページ」とは、どんなページのことを表すのだろうか。

  • HTMLのマークアップが甘かったり、サイトのナビゲーションが寂しい*1がために検索エンジンになかなか拾われず、検索結果の下位に埋もれてしまうページ。ブログ以前の、HTML手打ちやエディタでページを作っているサイトによく見られる。
  • 同じドメインで似たようなコンテンツがひしめいているがために、不運にも検索結果の上位に表示されてこないページ。はてなダイアリーgooブログなど、ディレクトリでユーザIDを区切るブログサービスがまず思い浮かぶだろうか。
  • XMLRSSなどのメタデータを出力しないweb1.0的なサイトも、ブログの洪水に押しやられて検索性を徐々に下げていくだろう。一昔前の「個人のホームページ」は、それにあたるかもしれない。
  • 極端な例だが、いわゆる「Google八分」にされているサイトは、検索性を剥奪されているという意味では、「秘境」そのものだろう。

あるいは、下記のようなページも「見つけにくいページ」に分類されるかもしれない。

  • 過去に人気を集めて多くのブックマークを集めたけれど、膨大な新着ブックマークに下敷きにされて読まれる機会のほとんどなくなった文章。いわゆる過去ログ。

積み重なる層をおりなす、記事の膨大な断片と集積。これらもやがてウェブの「秘境」と呼ばれるようになるのだろうか。

ネット空間における「秘境の案内人」を見つけたい

はてブでブクマしているときも、ときに秘境とはいえないまでも、宝物を見つけたような軽い歓喜を覚えることがある。
ブクマしていて、「これはいい」と感じた記事にまだブックマークがついていないとき、「お、そうなのか」と意外な感情を覚えることはないだろうか。
あるいは、人気記事でありながらも最新のブックマークが数ヶ月前だった記事をブクマしたとき、自分の判断でブクマできたことにそれとなくすとんと落ちるものを感じることはないだろうか。
いままでほとんど陽の目を浴びたことがない。あるいは過去賑わったけれどいまは存在すら忘れ去られようとしている記事。
自分自身が意識したことも気づこうとしたこともないけれど、読んだ者を立ち止まらせて目をくぎ付けにするような名文は、きっとウェブにはたくさん転がっている。
時間や形を超えても心を揺さぶってくれるような記事を掘り出せたとき、僕は安らぎにも似た満足を覚えるだろう。
そういった、たどり着くことが難しい、価値ある記事を運んでくれるナビゲーターに、僕は出会いたい。
「そんなブックマーカーや記事に、もしかしたら出会えるかもしれない。」
ほのかな期待と興奮を味わいたくて、今日もはてブを歩いている。

参考にしたい記事

日本の秘境100選 - Wikipedia
秘境100選というよりも、有名な観光地100選といった印象が強い。ネタ化された秘境をまざまざと見せられるようでもの悲しくすらある。
ARTIFACT@ハテナ系 - テキストサイトコミュニティはWeb1.x最後の秘境だ
2005年12月の記事。ブログとテキストサイトの文化の断絶について。ブログから見て旧態依然としたテキストサイト界隈を「秘境」と表現。テキストサイトの内容が優れていたとしても、はてブにブックマークされる記事は、やはりブログ形式のサイトからが多い気がする。

*1:「トップページに戻る」しかリンクを張っていないページや、ページ外にリンクすら張られていないページ

銀閣寺を往復

山岳会の会合に出席する。

データ項目 データ
ルート(往路) 自宅〜国道171号〜東大路通今出川通銀閣寺駐車場
ルート(復路) 銀閣寺駐車場〜今出川通千本通五条通〜国道171号〜自宅
走行距離 45.9km(合計。往路約20.5km、復路25.4km。)
コースタイム(往復) 2時間01分06秒
平均速度 22.7km/h
最高速度 52.0km/h(JRガード下)
積算距離 2197km

帰りを五条通経由にすると5km程度距離が伸びた。
スピードがあまり乗らなかったのはなぜだろう。